2018年12月25日火曜日

身体所見と検査データが解離した時

高齢者は身体所見をとるのが、難しいことが多いです


例えば胆管炎になったとしても、痛みがなかったり、

重症感がわかりにくいことは多々あります


なので、どうしても検査データ、画像に頼ってしまいがちですが、

検査盲信はよくありません


例えば、誤嚥性肺炎で治療後の寝たきりの高齢者で、

ある時の採血で、急に肝胆道系酵素が上がっていた

ということは、たまに経験があるのではないでしょうか


そんな時に頭の中では、

セフトリアキソン使ったから、偽性胆石症になって、

胆管炎を起こしてしまったかなあとか、


この人にERCPする〜??

とか、

薬剤性だよね


とか

いろいろ、頭の中では考えます


しかし、一番大事なのは、検査データが本当に確かかどうかです


これまでの経過に逸脱したデータが出た時は、

必ずデータの信憑性を疑います


人の手で、採血が行われ、

人の手で、検査されますので、

間違いは起こりえます


なので、検査を盲信するのは危険です


文脈や身体所見と解離しているデータは信じられません


データよりも身体所見を重視しましょう


ですが、

データは無視しろ、と言っているわけではありません


変な検査結果は、再検しましょう

ということです


当たり前かもしれませんが、その一手間を省くと


胆管炎でない人にERCPをしてしまったり、

手術をしてしまったりと、大変な医療事故を招きます


何か変だ

と感じたら、検査は再検しましょう


入院中の見せかけの肝胆道系酵素上昇、T-bil上昇は、

実は偽物(つまり、他人の採血結果を見ている)かもしれません


偽性胆管炎(と、勝手に名付けました)にご注意を



言いたかったことは、検査と身体所見が解離した場合、

信じるのは、身体所見です

ということです









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