高齢者は身体所見をとるのが、難しいことが多いです
例えば胆管炎になったとしても、痛みがなかったり、
重症感がわかりにくいことは多々あります
なので、どうしても検査データ、画像に頼ってしまいがちですが、
検査盲信はよくありません
例えば、誤嚥性肺炎で治療後の寝たきりの高齢者で、
ある時の採血で、急に肝胆道系酵素が上がっていた
ということは、たまに経験があるのではないでしょうか
そんな時に頭の中では、
セフトリアキソン使ったから、偽性胆石症になって、
胆管炎を起こしてしまったかなあとか、
この人にERCPする〜??
とか、
薬剤性だよね
とか
いろいろ、頭の中では考えます
しかし、一番大事なのは、検査データが本当に確かかどうかです
これまでの経過に逸脱したデータが出た時は、
必ずデータの信憑性を疑います
人の手で、採血が行われ、
人の手で、検査されますので、
間違いは起こりえます
なので、検査を盲信するのは危険です
文脈や身体所見と解離しているデータは信じられません
データよりも身体所見を重視しましょう
ですが、
データは無視しろ、と言っているわけではありません
変な検査結果は、再検しましょう
ということです
当たり前かもしれませんが、その一手間を省くと
胆管炎でない人にERCPをしてしまったり、
手術をしてしまったりと、大変な医療事故を招きます
何か変だ
と感じたら、検査は再検しましょう
入院中の見せかけの肝胆道系酵素上昇、T-bil上昇は、
実は偽物(つまり、他人の採血結果を見ている)かもしれません
偽性胆管炎(と、勝手に名付けました)にご注意を
言いたかったことは、検査と身体所見が解離した場合、
信じるのは、身体所見です
ということです
臨床のパールや自分なりの考えをノートにまとめました。自分のポケットの中だけでなく、皆様にもみていただき、ご意見ご感想を頂ければ嬉しいです。実臨床への適応は自己責任でお願いします。
2018年12月25日火曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
人気の投稿
-
デルタ株編 今回の波はこれまでで最大です デルタ株と夏休みが重なり、大流行になっています 今のところ、緊急事態宣言の効果もみえてきません 頼みのワクチンは今回の波を抑えることはできません ワクチンは次の波を抑える作用しかありません 今のところ、有効な対策はなさそうです 燃える...
-
ALSは毎年1人は出会うか出会わないか、くらいの頻度でしょうか 個人的にはIEと同じくらいで、あまり稀ではない印象です その目で見ると、出会う事ができます その目で見ないと、通過していきます しかし、自分も最初に診断した時は、診断に時間がかかってしまい、 ...
-
意識障害が遷延し、ICUで長期挿管管理となったため、 気管切開をした人がいました その後、一般床にいき徐々にレベルが改善したため、 人工呼吸器を離脱することができ、 さらに嚥下機能も復活したため、 徐々にカニューレを変えていく必要がありま...
-
オミクロン株BA.5編 7月〜8月にかけての第7波はひどい状態です ウイルスの脅威は以前よりもなくなっているにも関わらず、 なぜ現場は以前よりもひどい状態になっているのでしょうか・・・ 新型コロナウイルスが見つかってから、はや2年と8ヶ月が経ちました この間で 変わってきたこと、...
-
症例 88歳 女性 椎体の圧迫骨折で入院中 内服はリセンドロン、ドネペジル、アルファカルシドール 本人は腰の痛みの訴えが強く、トラムセットを入院後から開始している 入院の初めは食事がとれていたが、入院後食事量が減っていった さあ、食べられない高齢者に対して、 どのようにアプロー...
-
元々四つん這いで歩行している高齢女性が、 意識障害を主訴に救急外来受診しました 受診後、徐々にレベルは回復し、 家族がみてもいつも通りになりました MRIをとっても、血液検査をしても、心電図検査をしても、 脳波検査をしても、原因はみつかり...
-
不明熱 基本編です 不明熱を定義したのは、ピータゾロフ先生で、 持続時間を3週間以上続く発熱としたそうです その理由は、 自然に改善するウイルス疾患を除外したかったためのようです 38.3度にしたのは、習慣性高体温の人を含めないようにした...
-
たまに来ます耳下腺や唾液腺が腫脹してくる人 食事をしていたら、急に顎の下がゴルフボールくらいの大きさに 腫れあがりました でも今はだいぶ小さくなりました という人は大抵、唾石が一時的につまった人です 口腔内に開口する部分のところに唾石が詰まっていれば、 見え...
-
症例 中年の男性 主訴:発熱 Profile:生来健康 現病歴:2週間前から鼻汁、咳が出現 近医受診。インフルエンザ検査実施され、陰性だった 10日前から発熱出現(38度前後) 近医受診。インフルエンザ・溶連菌検査実施さ...
0 件のコメント:
コメントを投稿