3月は「振り返り」のシーズンでした
一年に一度は自分の診療も振り返ってみたいと思います
(※症例は加筆修正を加えてあります)
胃瘻造設前のCTで胃と腹壁の間に、
大腸が挟まっている人っていますよね
その場合、胃に空気を入れてぱんぱんにして、
CTを撮って再度確認します
さらに、胃瘻造設時に左側臥位→臥位へと体位変換することで、
横行結腸を落としたり、ベッドアップして横行結腸を落としたり・・・
最終的には外科的に作るなど色々方法はあります
そこで、超音波で見れば簡易的で安全ではないかと思ってやってみました
するとやはり、腹壁と胃の壁の間に何もないことが一目瞭然であり、
内視鏡で胃壁をつつくことで胃壁位置を確認することができました
さらに皮膚から胃内までの距離もわかり、
大血管がないこともドプラで確認できます
何度かやってみようと思いました
腹直筋血腫は有名ですが、
経験したことがありませんでしたので勉強してみました
腹直筋血腫は解剖が大事です
解剖から勉強するのではなく、
病気から入ると解剖って大事ってわかりますよね
危ない腹直筋血腫は臍より下の場合です
後方に腹直筋鞘がないため、血腫がどんどん大きくなります
膀胱のように大きくなってしまうこともあり、
pseudo bladder signと名付けている同僚がいました
診断は容易ですが、治療が難しいです
保存か手術か血管内か・・・
まれな疾患で治療経験がある医師が乏しいので、
誰が最終的な判断を下すか、担当医は悩むことが多いです
また別の症例で腹直筋血腫を疑う人が来ました
腹直筋血腫は病歴と診察で大体わかりますが、
USすればよくわかります
USでは皮下に腫瘤がありました
ですが、腹腔内か腹腔外か、見分けが難しかったです
その時に気がつきましたが、
胸部と同じで腹膜もsliding signがあります
深呼吸してもらうと、腹膜が動いているのがわかり、
腹腔内外の鑑別に有用でした
問題はこれが血腫で良いか?ということです
なんと血腫ではなく、膿でした
びっくりしました
そんなことある???
腹直筋血腫よりもさらに稀であり、
治療も決まったコンセンサスがありません
膿瘍が大きかったり、腹腔内に進展していた場合は、
ドレナージが必要になることが多いです
今回は穿刺吸引と抗生剤のみで治療完遂できました
最近、QT延長している人が多く、
さらにVTになる症例が多いです
みなさん、入院時の心電図みてますか?
ST-T変化だけみて満足していませんか?
QTも必ずチェックしてくださいね
そして特指示のせん妄の薬を軽い気持ちで入れていませんか?
抗精神病薬を入れる時は、心電図に必ず戻りましょう!
マグネゾール®︎がこんなに効くのか・・・と感動しました
簡単に脳血管性やアルツハイマーと診断してませんか?
外来で一番悩んだ症例かもしれません
消化器の多くの疾患は2021年にガイドラインが改訂されていて、
勉強になります
本当によくなってよかったです
しばらく透析業務に従事してみて
透析室の患者さんには、
総合的にみれる医師が必要だと強く感じました
自分の存在意義は、そこにあった気がします
うつや自殺企図、認知症があり、DLBと診断しアリセプト®︎著効した人
足の皮疹からIgA血管炎の診断に至った人
毎回のように転倒する患者さん達
バスキュラーアクセスが感染しまくる人
うつ病があるが精神科にはいきたくない人
自宅で最後を迎えたい人
謎の汎血球減少でCu欠乏だった症例(ノベルジン®︎が原因)
毎月熱が出るFMF疑いの症例
セフェピム脳症
アシクロビル脳症
原因不明の小腸出血の原因が湿布だった症例
・・・
あげればきりがありませんが、
透析に1年間と少し関わっただけですが、とても印象に残る経験をさせてもらいました
中でもこの方は自分で救急で関わり、
緊急SDMを行い、透析導入した思い出深い症例です
皮疹はシステム1(直感)が非常に大事です
システム1を鍛えるためには、システム2(考え抜くこと)のトレーニングが必要です
原因不明の出血傾向といえば・・・
知っていれば診断は困りませんが、問題は原因です
3ヶ月前に胆嚢的手術が施行されていますが、その時は全く止血に困らなかったそうです
その間に何があったのか・・・
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