2017年11月1日水曜日

ワレンベルグ診断編 後半

ワレンベルグの診断が難しいわけ

まずは、教科書通りにならないことが多いことです

なんと、partialワレンベルグの多いことか

典型的な症状は全てそろわないのが普通です


いつも、何かと何かの組み合わせです

めまい+軽度の呂律不良+軽度の小脳失調

他、何もなし

みたいな感じで、どれが組み合わさるかはわかりません


陰性のものに気をとられると、

ワレンベルグではないのかな?

と錯覚してしまいます

なので、何か(この所見)がなければ、ワレンベルグではない

という否定の仕方はやめた方がよいでしょう


逆に、この所見があれば、ワレンベルグではない

というのもやめた方がよいです


ワレンベルグには色々な亜型があり、

同側の錐体路徴候、つまり同側の麻痺を呈する症例もあります

Opalski症候群といわれます


また、PICAとAICAが一緒になっている人もおり、

その場合、AICAの症状(顔面神経麻痺)もでることがあります


このように小さな場所に核が密集しており、

さらに血管の灌流も個人差が大きい場所なので、当然といえば当然です




一度、ワレンベルグを疑ったら、
あとは芋づる方式でいろいろ探しに行きます




個人的なワレンベルグ症候群の印象
・最初はヒントは少ないが、時間が経つと誰でもわかるようになっていくタイプのクイズのような感じです
・最初の少ない徴候でいかにワレンベルグを想起できるかが、見落とさないコツになります
・ワレンベルグ症候群を疑ったら、徐々に悪化する可能性がある疾患を伝えておくと、患者の信頼をなくさずにすみます

0 件のコメント:

コメントを投稿