2018年6月10日日曜日

神経内科の難しさ

神経は苦手ですという人は多いと思います

色々な原因はあるとは思いますが、

その一つに神経診察を上手にとれないという事が挙げられます

自分のとった所見に自信がない

ということはよくあります

でも本当に難しいのは実はこの先です

とった異常所見をどう解釈するか、です

普通は自分のとった診察や病歴をもとに、

鑑別診断を組み立てます


神経診察以外の診察での異常は、嘘がない事がほとんどです

例えばcrackleや心雑音、反跳痛や筋性防御、関節腫脹などなど

診察で拾った異常を足場に、診断にたどり着きます


しかし神経診察でとった異常を足場にして進むと、

正しい診断にたどり着かないことがあります

なぜなら、神経診察の多くが患者の機能に依存しているからです

特に感覚の異常は、慎重に判断します


本当に異常として捉えてよいかを考えるというステップが

他の診察とは異なり、必要になってきます


本当に異常としてもよいかは、

解剖学的に矛盾がない事(これが一番大事)

何度とっても、誰がとっても同じ所見が出る事(再現性がある)

病歴に矛盾がない

感情に矛盾がない(ヒステリーの人は、あまりびっくりしない事が多い)

自分では意図しても出来ない異常がある
(眼球運動は片側だけ、動かせなくする事も出来る特技の人もいる)


といった事を考慮します


神経診察の異常には、

足場にしてよい異常と足場にいてはいけない異常があります

診断に迷った時は、まずこの二つを分けて考える事がkeyです




自分自身が、神経診察が難しいと思う理由は、


神経診察をとるのも難しいし、自信がない

とった所見を異常としてよいかもわからない

異常であると判断したが、解剖学的にどこが異常か分からない


自分なりの解決策は、

神経診察に慣れる

とりあえず時間があれば、入院してきた患者全員、神経診察してみる

神経診察が得意な先生の診察をみて、自分の診察と引き算して、

何が自分と違うか、考える


とった所見を異常としてよいかわからない時は、

足場にしてもよい異常だけで、考えてみる


どこに異常があるか分からない時は、解剖の教科書を開いて適宜確認

自分で解剖を描けるようにする


これの繰り返しですね

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