2019年5月13日月曜日

拡張している腸管を見たら

腸炎が起こっているか、

どこかで閉塞しているかを考えます


腸閉塞は物理的に閉塞を来した状態です

イレウスは物理的に閉塞起点はなく、静止している状態です


腸閉塞の場合は、

詰まった、はまった、捻じれた

のどれかを考えます


イレウスの場合は、

薬や痛み刺激、血栓症、神経疾患、強皮症を考えます


どちらも、虚血を伴うことがあるので、

虚血があるかないかで4分割で分けると、

頭の中が、すっきりします





腸閉塞とイレウスは、腸蠕動音を聴取したり、

超音波を用いて、腸管の蠕動を確認すれば、鑑別ができます

そして、CTにて明らかな閉塞起点がなければ、

イレウスとなります




この中でも一番、鑑別が難しいのが、

癒着性の腸閉塞と

絞扼性の腸閉塞でしょう


癒着性の腸閉塞は、頻度が一番多いので、

まずは腹部手術歴があったら、癒着を疑いたくなります

癒着による単純な腸閉塞であれば、

保存的に治る人もいますが、


絞扼性の場合は、早期に手術を行わないと、

壊死してしまう危険があります


そのため、


腸閉塞をみたら、絞扼性かどうか、

というのが、一番気になるところです


ではどうやって、鑑別するかというと、


腹部の身体所見と造影CTの画像です


腹部診察は、頭で腹膜刺激徴候や筋性防御という

単語を分かっていれば、所見をとれるわけではありません


なぜなら、腹部診察はスキル(技術)であって、

教科書を読めば身につくものではないからです


腹痛の患者さんを丁寧に何度も何度も、診察することで、

身につく技術です

そのため、経験の浅い、研修医や内科のDrにとっては

腹部診察だけで、絞扼性腸閉塞を断言できるほど、自信はありません


そこで、有用なのが、画像です


画像の所見は知識なので、

知っていれば、診断できます

なので、画像の勉強をすれば、絞扼性の腸閉塞を診断することができます




ただし、デメリットもあります

画像は頻回には、フォローしにくいことや被爆の問題があることです



腹部診察は逆ですね

お金はかからないですし、

フォローは頻回に行えます

なので、どちらがいいということではなく、

どちらも勉強しましょう

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