今回のNEJMはインスリノーマでした
このケースを読むと、
①低血糖患者さんへのアプローチ
②インスリノーマのゲシュタルト
The After-Dinner DipというCPSはインスリン自己免疫症候群でしたので、
こちらも読むと理解がさらに深まります
今回はひねりやどんでん返しはないケースでした
NEJMのケースは複雑な症例からこういったシンプルな症例まで様々です
インスリノーマが診断されるまでの経過を丁寧に書いてくれてあるので、
ゲシュタルトの構築に有用なケースでした
インスリノーマという疾患の輪郭がぼんやりしている人は、
このケースを読むと、インスリノーマが鮮明にみえるようになるかもしれません
疾患のゲシュタルトは、出会った患者さんによって形成されていることがほとんどです
ですが、インスリノーマのようなまれなケースに出会うことは難しく、
経験値がつめません
残念ながら教科書的な知識では疾患のゲシュタルトは掴みにくいです
教科書的な知識は、バラバラの骨のようなイメージです
症例を体験すると、骨がつなぎ合わさり、血肉がついていきます
症例の経過について、他の鑑別も出しながら、
あーだこーだ考えていると、ゲシュタルトが出来上がります
大事なのは、その疾患のイメージだけでなく、
その疾患を鑑別にあげた時に、
他にどんなことを一緒に考える癖が自分にあるかを知ることです
思考の癖は一人一人違います
その違いは一人で考えていても気がつきません
お互いに意見をいい合うことが大事です
NEJMを読むのは映画を観るのと似ています
映画は一人で観るよりも誰かと一緒にみて、
映画を見終わった後の感想戦が一番楽しかったりしますよね
ただ読むインプットだけでなく、
その都度、アウトプットしながら読むのが、
学びの多い読み方だと思います
まとめ
・低血糖と低血糖症(ウィップルの3徴)は違う
→無自覚性低血糖の存在は、慢性的な低血糖曝露を疑う
・低血糖のアプローチ
→①全身疾患、②薬や中毒、③インスリンに関わる内分泌異常
・NEJMのcaseを読む一つの意味は疾患のゲシュタルトを作り上げること
→インプットだけでなく、アウトプットしながら読むと、その症状や疾患が自分の中に定着する
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