2017年10月20日金曜日

乾癬

乾癬は脊椎関節炎の代表的な疾患です

乾癬は非常に多彩な症状を呈します


その原因の一つが、サイトカインの異常であることがわかってきて、

サイトカインごとに疾患を分けるcytokine taxonomyという考え方が生まれてきています


自己免疫疾患は自己抗体で、

自己炎症性疾患はサイトカインで、

分類する


これは治療につながるので、

頭の中がスッキリ整理されて、非常にいい分類方法だと思います


例えば乾癬はTNFαやIL17Aが問題となっており、

GCAやRAはIL6が問題です

FMFやTRAPS、ベーチェット病、AOSDはIL1が問題です

もちろん、問題となるサイトカインは一つではなく、オーバーラップしています



 2013 Jul;19(7):822-4. doi

乾癬の皮疹


乾癬の皮疹は一箇所だと、白癬に似るので、迷ったら必ずKOHをしましょう

色んなタイプの乾癬がありますが、

ほとんど尋常性です

まれに重症化して、紅皮症になったり、

膿疱が全身に多発する膿疱性乾癬が起こります


膿疱性乾癬はステロイドを使っていた乾癬の人が急にやめたりすると

出る事があります


膿疱性乾癬の皮疹はギョッとするほど、汚い印象の皮疹です


肺炎の画像だけでは、菌名がわからないのと同様に、

皮疹だけでは原因はわかりませんので、

梅毒やAGEPが膿疱性乾癬の場合は鑑別になります


乾癬の既往がなく、急にくるとびっくりしますが、

乾癬があれば、あーあれね

ということになります



乾癬はHIVの人でも起こるので、

必ずHIVはチェックします

特に乾癬の皮疹が重症な場合や場所が典型的ではない場合、

HIVは忘れないようにしましょう




乾癬の関節炎


関節炎は軸関節の場合と末梢の場合があります

末梢の場合、痛風やリウマチと診断されている事も多いので、

Seronegative RAや結晶が証明されていない痛風は

かなり怪しいです


加えて、DIPに所見があったり、

付着部炎があったりすれば、乾癬の可能性がありますので、

病歴をとりなおしたり、

皮疹や爪の所見を探します


皮疹はケブネル現象が起きやすいところ

つまり擦れるところをみます

乾癬の皮疹は出たり引っ込んだりするので、

何回も探す努力が必要です




乾癬は関節や皮膚だけの病ではなく、

心の病も合併します

心筋梗塞や脳梗塞、骨粗しょう症も多いので、

全身の管理が必要です




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