2019年10月29日火曜日

診断力を上げるには

症例検討会はお昼に毎日行われます
そこでは司会者は症例の内容を知らずに、臨床推論を展開していきます

カンファレンスで最も重要なことは、
診断を後から振り返ることではなく、
限られた情報からどう動くか、前向きに検討していくことです


なので司会者も間違えます
その間違いから聴衆は学びます


入院を担当する研修医の先生は、自分で初診の患者さんをみることは少なく、

「○○の患者さんだから入院よろしく、抗生剤入れといたから」

という感じで、すでに病歴や診察、検査が終わって診断が付けられ、
さらに治療プランもたった後に、受け持つことがほとんどです


その後、研修医の先生はどういう情報を集めるかというと、
確定診断に至った画像や検査をまずはチェックしてしまいます

そうすると、そもそもどんな患者さん?
どんな主訴だったっけ?
何の既往歴があるんだっけ?

と、後追いで情報を取りに行くことになります
アメリカでは、この流れをOOPS!(しまった!おっとっと!)といいます


Oはobjective date(客観的データ)、主に画像や検査データです
Sはsubjective date(主観的データ)、つまり病歴です


この流れ(OOPS)をどんなに経験しても、その疾患を診断する力は養われません


研修医の先生が診断力をつけたいのであれば、以下のことに気を付けてください
(※緊急で治療が必要な場合を除きます、時間的に猶予のある時にしてください)

・上級医のいった診断名は、信じない
・上級医のカルテは病歴や既往歴、内服歴だけ見る(アセスメントはみない)
・病歴や診察を終えるまで、画像や検査はみない
・病歴と診察が終わった時点で、自分が出すであろう検査や鑑別疾患を考えてみる
・上級医と自分の考えをディスカッションする


簡単にいうと、SOAPで情報をとることを徹底します


これは外傷のJATECでABCDの流れと同じような感じです

Aの異常があれば、Cの異常があってもまずは、Aの異常が優先されます
それと同じです

OよりもSが情報としては優先されるのです



SOAPって、当たり前ですよね

でも入院患者さんを引き継いだら、いつの間にかOOPSの流れで情報をとりにいっていることがあります
人から引き継ぐとAが抜けて、自分でアセスメントしなくなります


間違える時はだいだいOOPSで情報を取りに行った時です


しまった!(OOPS)とならないように、
愚直にSOAPで情報はとりに行きましょう

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