2017年8月2日水曜日

間質性肺炎を見たら

たまたま撮った術前のレントゲンで、
間質性肺炎っぽい下肺の網状影あり

さてどうしましょう?

間質性肺炎の中でも特発性間質性肺炎(IIPs)が一番有名ですね

でも間質性肺炎の概念はちょっとややこしいです

IIPsの中にIPFやNSIPなど色々ありますし、
画像ではUIPパターンとかがあったりして、
混乱してしまいます

どう考えたらいいか苦手というと人もいると思います


ポイントは間質性肺炎に、何か原因があるかどうかをまずは確認します


原因が何もなければ、特発性ということになります

原因があれば、特発性とは言えません

原因は膠原病に合併したものや過敏性肺炎、薬、アスベストなどなどです

なぜこれが大事かというと、もちろん治療が変わるからです

膠原病であれば、免疫抑制剤を積極的に考慮します

薬剤性の間質性肺炎であれば、中止しなければなりません

何かの暴露で過敏性肺臓炎になっていれば、暴露から離れなければなりません


ただし、現実はここが一番難しいです

膠原病のあるなしを病歴、身体所見から明らかにしなければなりません

普通は膠原病を狙う時は、疑っている疾患のサロゲードマーカーしか出しません

やたら滅多ら出す必要はないのです

なぜなら臨床的に疑っていないので、陽性であっても分類基準を満たさず、

判断に迷うためです

しかし、間質性肺炎の時の膠原病探しは話が違います

絨毯爆撃のように全て、検索します

なぜなら、膠原病の診断は肺病変の数年後につく人もいたり、

血清学的に膠原病っぽさがあれば、特発性とはいわず、

最近はIPAF(Interstitial pneumonia with autoimmune features)というようです

用語の混乱はありますが、

つまりは膠原病っぽさを併せ持つ間質性肺炎です

膠原病っぽさは臨床所見や血清学的、画像からぽさを見積もります

分類基準を満たしたり、何らかの膠原病が診断できたら、
これには当てはまりませんので注意が必要です




 2016 Jun;47(6):1767-75.

予後も違うようで、IPFと膠原病合併間質性肺炎のちょうど中間のようです

やはり間質性肺炎をみたら、とことん、膠原病らしさを探すということが重要ですね

















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