身体の中で大量に血が出る場所は限られています
外傷の時にこれはよく言われることですが、
頭蓋内出血ではショックになるほど、血は出ません
ある程度、血が溜まるスペースが必要であり、それを探しに行くのがFASTです
ではFASTでわからないけど、大量に出血しうる場所はどこでしょうか?
答えは、大腿部や臀部です
よくあるのは、大腿骨頸部骨折の人のショックでしょう
頸部骨折は転倒のエピソードがあれば、簡単に疑えますが、
認知症のある人とかだと、病歴がとれず、
数日後に気がつかれるということがあり得ます
原因不明の大量出血の時に、消化管でもなく、
胸腔内や腹腔内でもなく、
後腹膜腔でもなければ、一度はパンツで守られている部位に目を向けましょう
大腿部や臀部はルーズな組織であり、血がたまりやすいので時に盲点になります
でもみたらすぐにわかるので、パンツずらしてしっかり診察するのが大事ですね
そして、血腫は不明熱にもなり得ます
有名な話として、、、
脳外科の手術後の患者さんで手術後、熱が下がらないということで、
髄膜炎か!?と疑われました
ですが、色々検査しても何も出てきません
身体所見上、熱源となりそうな所はありません
しかし、
よくよく診察してみると、後頭部に巨大な血腫がありました
血腫が引けていくと自然に解熱していきました
という話を聞いたことがあります
後頭部の血腫も盲点になるので、
まさかこんな所に、という常識を忘れて全身をくまなく診察する事が大事です
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