2018年7月12日木曜日

ギランバレーかなと思ったら

ギランバレーは思いつくと、


ギランバレー来たー!

という感じで、ギランバレーにしか見えなくなります

足が動かしにくく、痺れもあり、先行感染もある

と来れば、ギランバレーを疑うのは当然です


ですが、ギランバレーに飛びついてしまって、

他の病気の鑑別が飛んで行ってしまうことが多々あるので、

一度冷静になる必要があります



基本的にこれがあったら、絶対、GBSともいえないので、

臨床像や身体所見、補助検査を用いて、総合的に診断します


大事なことは他の疾患の除外です

Stroke mimicならぬ、ギランバレーmimicです

大脳鎌の病変とかは知識的には大事ですが、

実際は稀です

でも一応チェックします



他にも鑑別すべき疾患は山ほど教科書的には挙げられますが、

一番の対抗馬は横断性脊髄炎です




両下肢の対麻痺となると、ミエロパチーが鑑別になるので、

しっかり診察しないといけません


ギランバレーを疑った場合は、

手足をチョンチョンと触って、

感覚は大丈夫ですかー?

という診察では、全然ダメです


チョンチョン診察は、内科医がよくやる感覚系の診察ですが、

ギランバレーの時は、レベル形成があれば、ミエロパチーを疑いますので、

しっかりと感覚を取りに行くことが重要です





ギランバレーのように思いついたら、

それにしかみえなくなってしまった場合、

ギランバレーに合わないような所見は、無視してしまうことがあります


ギランバレーに限ったことではありませんが、

人は見たいように見て、自分の都合の良いように解釈します



あれ?

何かおかしいな

と思っても、

まあいいか、大した所見でもないし、

カルテに書くほどではないな

という軽微な異常を闇に葬ることはよくあります


そんな時は、闇ではなく、

心の中に留めておいて、

いつでも取り出せるように注意を少しだけ傾けておきます


そうすることで、もう一度、新しい何かイベントがあったときに、

違う疾患をすぐに想起できるようになります



例えば、何となく物がダブって見える時もある、

日内変動があるような気がする

といった所見があれば、もしかすると、重症筋無力症かもしれません



何か変だなと思った時は、

その所見を大事にするといいことがあります






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気腫性骨髄炎

 

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