2017年8月4日金曜日

食べられない人をみたら

嚥下のことに触れたので、もう少し細かく見ていきます

食べられない人をみたら、どう考えたらよいのでしょうか


嚥下の問題には幾つかの段階があります

先行期:まずは食べ物を認識する段階です。認知症末期の人は、食べ物を食べてくれません

準備期:義歯の不具合を治すだけで食べられるようになる人もいます。

口腔期:口を開け、咀嚼します。
             舌の動きが悪い人(パーキンソン、ジスキネジア、舌癌術後)の人で問題になります

咽頭期:「ごくん」となる所です。ここに問題がある人が多いです。
               ここで問題になるのが、偽性球麻痺や球麻痺の鑑別です。

食道期:飲み込んだ後に詰まった感じがある人達です。
              アカラシアや食道癌、好酸球性食道炎、強皮症が問題になります。

以上のどこに問題があるのか?

という目で診察し、病歴をとります



 偽性球麻痺か、球麻痺かの鑑別は時に困難です
そこで有用な身体所見は、眼輪筋や口輪筋の反射を見ることです

下顎反射と同じ意味合いがあり、上位運動ニューロンの障害を示唆します
下顎反射は口を上手く開いてくれなかったり、出すのが難しいですが、
口輪筋や眼輪筋反射は容易に出すことが出来ます。

 


治せる認知症は常識になってきましたが、
治せる嚥下障害も常識となるくらい有名になるといいですね



嚥下障害から発見される神経疾患は意外と多いです

見る人が見れば、すぐにわかるので、
何だか普通の誤嚥性肺炎じゃないな
と感じたら、誰か得意な人に診察してもらいましょう




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