そのため、GPRが落とし穴です
では血培やグラム染色でGPRをみたら、何を考えるべきでしょうか
GPRは環境菌の要素が強く、汚染菌、コンタミネーションになる事が多いです
しかし免疫不全者では、感染症の原因と成り得ます
それぞれ癖があり、1st choiceの抗生剤が異なるので、
本気で感染症の原因だと疑えば、しっかり調べて抗生剤を選択しましょう
例えば、たまにあるコリネバクテリウムのjeikeium感染には
バンコマイシンが1st choiceです
ノカルジアにはバクタですし、
リステリアにはアンピシリン
バシラスにはバンコマイシン
などです
バシラスはアミノ酸含有のビーフリードなどでPPNをしている患者で、
時折、カテーテル関連感染を起こします
そのため、何も考えずにビーフリードでPPNは考えものです
バシラス菌血症を起こすリスクだと知って、使うようにしましょう
GPRの基本は、芽胞と毒素を作り出すという特徴を持っている菌が多いことです
毒素病態を起こすため、抗毒素が治療の選択肢に成り得ます
例えば、ボツリヌスの抗毒素血清です
毒素病態を起こすのは、
破傷風やボツリヌス、ジフテリアです
これらは、発症すると治療が難しく、致死率も高いため、
破傷風菌やジフテリアにはワクチンがあります
そして、GPRが血培から生えて、最悪のケースがあります
入院から死亡までが、平均9時間とも言われている非常に急激な経過をたどる疾患です
それは、担ガン患者や術後の患者、糖尿病などが背景にある人の
胆管炎や肝膿瘍で、高度な溶血性貧血を伴っている症例です
消化管由来の敗血症っぽいけど、何故か高度な溶血性貧血がある症例で疑います
そういった症例で、次にやることは、
末梢血、特にbuffy coatのグラム染色です
そこで見えるのは、四角い積み木のような形をしたGPRです
この菌はClostridium.perfringensです
この菌の中でも、特にA型の場合、α毒素を多く出し、溶血を起こします
ドレナージや抗生剤治療を行いますが、予後が非常に悪いので、
この菌が見えた時は、
家族には数時間で亡くなる可能性を伝えることの方が現実的な対応です
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