予防接種後に起きた生体に起きた不利益な反応はすべて有害事象と呼ばれます
なので、予防接種とは全く関係ないことも多く含まれます
偶然のけがとか、ウイルス感染とかです
これとは別に副反応は予防接種によって起きた本来の目的以外の反応の総称です
つまり予防接種をしなければ、絶対に起きなかったことです
肺炎球菌予防接種後の副反応で、注射した部分が腫れることは有名です
注射部位の疼痛、紅斑、硬結を指す局所反応(Arthus反応)です
けっこうひどい人は上腕全体から、前腕にまで及ぶこともあります
ピークは2.3日で局所を冷やしたり、抗ヒスタミン薬の塗布などで消退します
筋注の方が発生頻度は低いとされています
2.3日たっても改善しなかったり、全身の反応(発熱、嘔吐、寒気)が強い場合には、
蜂窩織炎になってしまった可能性を考えます
肺炎球菌予防接種後に腕がパンパンになった人をみたら
①ただの局所反応
冷却や抗ヒスで治るのを待つ
②蜂窩織炎合併
かきむしったり、注射した時に細菌を押し込んだ可能性
抗生剤投与が必要かもしれない
③壊死性筋膜炎ばりに、全身状態悪化
ベーチェット病が背景にあるかもしれない
もしくはMDSのトリソミー8を考える
ベーチェット病が背景にあると、
ニューモバックス®投与にて、
蜂窩織炎様の反応と強い全身症状や炎症がでることが知られています
ベーチェット病の検査として、針反応は有名です
なるほど
予防接種が針反応のようになったのか
と考えたくなるのですが、
どうやらそうではないようです
針反応が陰性でも、この反応がでるようです
ベーチェット病患者さんは口腔内の細菌の関与が病態の発症に影響しているのではと
考えられており、口腔内の連鎖球菌に過敏であることが知られています
日本のベーチェット病の診断基準の参考となる検査所見にも
「連鎖球菌ワクチンによるプリックテスト」としっかり書いてあります
そのため、連鎖球菌に過敏なベーチェット病患者さんに、
連鎖球菌を皮膚に投与することで、
TLRをトリガーとして、インフラマソームを活性化させ、
炎症を惹起させると推測されています
ということで、
ベーチェット病やMDSのトリソミー8が背景にある人に、
ニューモバックスを打つ時は、ひどい蜂窩織炎様の反応や
全身の炎症が強くでる可能性があると覚えておきましょう
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