複視は嫌な主訴です
特に眼球運動が正常な複視が一番困ります
あれ?
しっかり動いているじゃないか・・・
でもダブって見えるっていうし、どういうこと???
となります
複視の症状の出だしは眼球運動が普通に動いていることもあり、
他覚的に異常をとらえるのが難しい時もあります
医者になって、一番最初に出会った複視の人の主訴は、
20歳代の女性の「物の焦点が合わない」とのことでした
物が二重に見えることはないが、
両目で見た時だけ焦点が合わないということで、
眼球運動はしっかり動いていたので、
よくわからず、帰宅としました
そしたら、
翌日に呂律不良、複視、ふらふらして歩けない
ということで再診して、ミラーフィッシャーでした
複視をみたら、もちろん他の神経診察をしますが、
ここでは複視単独の異常
(つまり眼瞼下垂や眼球突出など、見た目では異常がない)
であった場合を考えてみます
その際の複視のチェックの仕方は、
①まずは単眼性か、両眼性かどうか
両眼性で見て複視があって、はじめて両目のコーディネーションの問題になります
忘れがちですが、必ずチェックしましょう
②眼球運動はどうか
これが、また難しい
動きがおかしいと感じた場合は、
あとで見返すことができるように、動画で撮影させてもらうのがベターかと思います
眼球運動は4方向ではなく、6方向で確認します
③どこで一番複視が強くなるか
二重に見えますか? → はい
ではだめです
二重に見えるといっても、
どれくらい重なっているか
どれくらい離れているか
上下なのか、横なのか
を確認します
そうすることで、他覚的な眼球運動以外でも
やられている外眼筋を特定することができます
④眼球運動で痛みはあるか
ミラーフィッシャーも時に眼痛を伴います
眼窩蜂窩織炎も痛みがあります
実は、糖尿病も痛みを伴うことがありますが、
やはり糖尿病患者の動眼神経麻痺で眼痛があった場合は、
他の疾患を考慮した方がよいと思います
複視をみたら、それぞれの目を動かす筋肉と支配神経に思いを馳せます
特定の神経の障害であれば、話は簡単で、
それぞれの神経麻痺の鑑別を進めていきます
その際には、それぞれの神経走行の解剖を頭にいれて、考えることが重要です
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