2019年1月8日火曜日

ちゃぶ台返し系キーワード

救急あるあるです

救急していて、発熱で来た人に対して、

問診に時間をかけて、ある程度、頭の中で鑑別疾患が思い浮かんで、

よし、診察しようかなと思ったら、、、

そういえば、1週間前にタイ行きました



えーーーーーーーーーーーーー


早く言ってよ

今までの問診と鑑別疾患が無になる瞬間です

そうならないように、ある程度早めに聞いておくべき、

キーワードがあります


それを、「ちゃぶ台返し系キーワード」と名付けています

有名なのは、発熱の時の海外渡航歴です

ですが他にも色々あります

豆炭ゴタツも一酸化中毒発生マシーンなので、

寒い時期の高齢者には早めに聴取します


若い女性であれば、妊娠はどんな主訴でも聞いておいたほうが無難でしょう

薬や検査の兼ね合いもあるので


高齢者であれば、とりあえず、薬から考えます


高齢者診療のスキルを上げたければ、

薬の副作用に強くなることです




もちろん、本当に「そういうことは早く言ってよ」とか

言ってはダメですよ



これらの他にも、もちろん色々あります

胸痛できた若い男性が

自傷行為で叩いた所が痛かった

とか

ふらふらするといって来た中年女性のHbが5で、

結果、元看護師さんで、

自傷行為で点滴の針を自分で刺して、

瀉血していた

とか


早く言ってよーってなりますが、

自傷行為や性行為、お金、アルコールは

ちゃぶ台返し系とは思っていません

そもそも話したくない内容ですので、

聞いても正直に語ってくれない可能性があるからです


これらは、聞き方にコツや信頼関係が必要なので、

やや難しいです



まとめると、病歴をとるときに、考えておくことは、

この人は一体何を語っていないんだ?

ということを意識しながら聞きます


集めた情報だけで鑑別疾患を組み立てますが、

そこに矛盾が生じた時に、

何かを隠している、もしくは語っていない

と思う癖をつけると、ちゃぶ台返さなくてすみます




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