2018年3月28日水曜日

網状皮斑

リベドはよく見ますが、

これこそ、その目で見ないと見逃してしまいます

海の中の魚を見るようなイメージで、

少し深めの皮膚を見る感じで探します

普通に皮膚を見ても気がつかない事もあります

文脈によってリベドは意味が全然違うので、

抗核抗体関連疾患や血管炎を疑っている時は、

その目で見つけに行く必要があります


リベドを見つけたら、まずは聞くのは、

こたつやストーブに当たりすぎていないかです

火だこと言われますが、

非常に似た感じになります

本物のリベドらしければ、病的かどうかを考えます

よく言われるのが、網目が閉じているかいないかです

網目が閉じていなければ、

リベド ラセモサと言われて、

皮膚を栄養する少し深めの動脈に原因があると言われます

ですが、実際は閉じているようにも見えるし、

閉じていないようにも見えるので、

経験が必要かと思われます




機序はなんだか、色んな説明がされていますが、

しっくりきませんでしたが、

この説明が一番しっくりくるかなと思っています








2018年3月25日日曜日

好酸球増多

好酸球やアレルギーってよく出来た機序ですよね

人間が生きていく上で、痒みとか、必要ある?

って思ってしまいますが、

寄生虫や異物が体に侵入した時は、

いわゆる細胞性免疫や自然免疫は小さすぎて、分が悪いです

その為、物理的に痒みを出して、自分でボリボリ引っ掻いて、

体から排除したり、

血管内から水を出して、洗い流したりする事で、

体から排除しようとします

そう考えると、好酸球が分布する体の組織は、

体の外との交通がある所に多いというのは、納得できます


好酸球は採血で多いかどうか判断しますが、

所詮、血液中の好酸球は組織に比べれば、100分の1程度です

なので、血液検査だけでは、好酸球による臓器障害かどうかは判断してはいけません

好酸球絡みの臓器障害を証明するには、生検が必要です

好酸球は原因はなんであれ、高くなりすぎると、

臓器障害を引き起こします

心筋障害が来る事もあるので、

好酸球が高い人を見たら、まずは原因よりも、

心臓大丈夫?

と思いを馳せましょう


しかし好酸球の絶対数に比例して起こるわけではないので、注意が必要です

理由はさっきと同じで、調べられるのは血液中の好酸球の絶対数であって、

組織がどうなっているかはわからないからです



好酸球増多をみたら、まずは何かに反応しているのではないか?

と考えます

特に薬やサプリメントは徹底的に探ります

そして、薬っぽくなければ、寄生虫感染を探します

寄生虫は単細胞のものでは好酸球はあがりませんが、

多細胞のもの(蠕虫)は上がりやすいです

しかし、局所でとどまると、上がらないこともあるようです

寄生虫は数年後に出てくることもあったり、

海外で感染することもあるので、

気を付けて問診するようにしましょう

何かに反応している感じでなければ、HESを疑います





HESの中でもいろいろあるので、

遺伝子検査や骨髄検査でも原因がつかめなければ、

特発性、つまり原因不明のHESになります



救急での好酸球の使い方は、

敗血症やショックの時に副腎不全を鑑別にあげることができることです


感染が原因で今にも死にそうな場合、好酸球は0%が当たり前ですが、

ショックなのに、1%とか2%とか、

完全に抑制されていなければ、

それは副腎不全かもしれない

という鑑別が浮かびます

副腎不全も放っておけば、亡くなる病気なので、

なるべく、早期に発見して治療につなげたい疾患です


ショックの時に、一瞬、副腎不全に思いをはせて、好酸球をみて、

まあ、大丈夫だよね

というルーチンを

体にしみこませておくことが大事です

もちろん、好酸球上昇しない副腎不全もあるので、これだけで除外してはいけません


2018年3月12日月曜日

DKA

DKAはたまに出会います

内分泌の疾患には、車でいうブレーキの遊びのような、

余力があるので、一気には破綻しません

1分1秒を争うような疾患はありませんが、

時間の単位で争う疾患はあります

DKAも有名な内分泌疾患のemergencyの一つです

内分泌の緊急疾患は、

何かきっかけがあることが多いです

それを探すのが内科医の腕の見せ所であります

なぜなら、DKAによって引き起こされた症状なのか、

それともDKAを引き起こしてしまった原因による症状なのかの判断は

時に非常に難しいのです

例えば、

DKAでも腹痛くることは有名ですが、アシデミアが大したことないのに、

腹痛が強いというのは、違和感があります

DKAの人に内ヘルニアがあり、DKAの治療をしつつ、

緊急で手術になった人もいました

DKAを見つけたら、どうしよう、どうしようと

パニックになりますが、

DKAの治療はだいたいいつも同じです

輸液しっかりして、

インスリン入れて、ナトリウムとカリウムとリンに気をつかって、

AGやHCO3が元に戻るまで、頑張る

ということです



大事なのは、何故、この人がDKAに陥ったかです

セブンアイ

という覚え方もあります


劇症1型で、ウイルス性心筋炎や横紋筋融解を合併していた人もいました

最近は持続のインスリンポンプをつけている人もおり、

お腹に持続のインスリンポンプつけていた人がDKAになっていたこともあります

インスリン持続で入っているんじゃないのー!?

と思いましたが、

実際インスリンポンプの針を抜いてみると、

皮膚に刺さっておらず、

くにゃっと曲がっていました




インスリンポンプを使い慣れている先生なら、

あるあるかもしれませんが、

初めて見るものにとっては、

なんじゃこりゃ?

なので、

疑わしきは罰する姿勢で、

インスリンポンプつかっている人がDKAになったら、

ポンプに頼りすぎず

しっかり点滴からインスリンを入れたほうがよいと思います


True TOS

胸郭出口症候群は名前は有名ですが、

実際、本物の胸郭出口症候群は非常に稀と言われています

胸郭出口と言われているほとんが偽物なので、

Psuedoならぬ、

True と呼ばれます

胸郭出口症候群を考える前に、

コモンな手根管症候群

見逃すと嫌なALS

を考えて、どちらの可能性も低ければ、

ようやくTOS 胸郭出口症候群を考えます

診断には、神経伝導速度が必要で、

身体所見ではなかなか難しいです


2018年3月11日日曜日

カルシウム拮抗薬中毒

認知症の人が、息子や自分、夫の薬を大量に飲んじゃった

で、運ばれてくることが多いです

最初は飲んだ量が不明のことが多いので、

オーバートリアージでいったほうがいいと思います

徐放剤になっているものが多くなってきたので、じわじわ効いてくるので、

飲んで、すぐに運ばれて、血圧安定しているから大丈夫ですね

といって、帰してしまうと自宅で血圧下がってしまっている事もあるので、

経過観察が必要です

カルシウム拮抗薬中毒は普段出会わないので、

しっかり調べてから治療するのですが、

知っておくことは、

透析は効果ないこと

カルチコールや高容量のインスリン持続、脂肪性剤、グルカゴンが

治療法となることです

普段の使い方ではない使わない方をするので、

こんなこと、やっていいのかな

と不安になりますが、バイタル立て直すためには

色々やらないといけないこともあります


確かに上記の治療に一時的に反応することが多いので、

効果は実感できますが、長続きしないので、

嵐が過ぎるのを待つ感じで、対応します




独居老人の原因不明の徐脈ショックになりうるので、

病歴がとれず、敗血症にしては、focus不明で、

カルシウム拮抗薬中毒の可能性が残るのであれば、

カルチコールで反応するか、見てもよいかもしれません

自分でできるCIDP診療

CIDPは自分で診断、治療してはいけない疾患だと思っていましたが、

限られた施設や状況では、

自分でできる範囲でやらざるをえないこともあるかもしれません

ポイントは神経伝導速度で脱髄を捉えることですが、

神経伝導速度検査ができなければ、MRIで代用できることです

神経根を狙った撮影でゴリゴリに腫れているのが確認できれば、

かなり疾患は限られます

しかし治療はIVIGと非常に高価なものになるので、

なかなか一人では診断治療が難しいのが現状かと思います




立つと具合が悪い

立つと具合が悪いですという人はたまに出会います

痛みの増悪寛解因子の中で、立位というのは、

あまり意識されていないように思います

何故聞かれないかというと、立位で増悪する疾患を知らないからだと思います

なので、まとめてみました

立つとめまいやふらつき、動機が出てしまい、調子が悪いという訴えは、

小児や若い女性で多い主訴だと思います

あー

POTSね

と終わらせてはいけません

POTSの中にも色んな分類があるので、

スタートに立ったに過ぎないと考えるべきでしょう


立つと頭痛がメインでくる人は、低髄液圧症候群が鑑別です

POTSとの鑑別は時に難しいので、

低髄液圧症候群なら画像検査で他覚的な異常が欲しいところです


立つとお腹が痛くなる人もいます

遊走腎や骨盤うっ血症候群が挙げられます

遊走腎は脂肪の支えがなくなり、来すことが多いので、

痩せた女性に多いと言われます

骨盤うっ血症候群はナッツクラッカー症候群を伴っていると、

血尿もでます


遊走腎も骨盤うっ血症候群も

腹痛➕血尿が主訴の場合があり、

尿路結石といわれかねません

なので女性で、尿路結石を鑑別にあげたら、

一度は上記を思い浮かべて、

増悪寛解因子を再度聞きましょう

ずっと立っていると、痛みが強くなりませんか、と





総合診療医が見た「集中治療」の世界

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