2017年12月2日土曜日

慢性下痢

 長引く下痢は鑑別が多く、難しい分野の一つです

夜寝ていても起こされるような下痢は器質的な疾患を想起しますので、

1日何行かと、寝ていても下痢をするかという問診は重要です


慢性下痢であれば、色々聞く前に、

鑑別がガラッと変わってしまうので、

まずは海外渡航歴を聞くことから開始です

海外渡航歴があれば、寄生虫感染症を疑いたくなります

渡航歴がなければ、免疫不全でなければ、非感染性を疑いたくなります


病歴ではなかなか鑑別できないので、入院精査となることが多いですが、

内視鏡以外に戦略を持っておく必要があり、

内視鏡の時にも、生検をお願いしたり、便汁を採取すべきかを検討しなければなりません


入院でまずすることは、本当に下痢しているかどうかを確認することです

そして自分で下痢便を見てみます

色で鑑別が進むこともあります

入院患者さんの下痢の匂いや色で、看護師さんが、

CDIではないかと教えてくれることもあります

えんどう豆様の下痢は腸チフスを示唆します

(注意:腸チフスは下痢よりは、便秘の方が多いです)

トマトジュースのような血便は腸管出血性大腸菌を疑います

白色であれば、胆汁の排泄障害を疑いますし、

黒色便であれば、実は消化管出血かもしれません


色で鑑別が進むことは稀ですが、見落としていると恥ずかしいので、

ちゃんと見ましょう







0 件のコメント:

コメントを投稿

國松の内科学 〜片頭痛〜

今回の國松の内科学は「片頭痛」でした 片頭痛診療で最重要と強調されていたことが、 「発症年齢が若い」 ことです 具体的には 40代以上 の発症の初めての頭痛患者さんの場合、 片頭痛の診断をしない方が健全です   今回の片頭痛は筆が走っていて、 教科書では得られない血の通った片頭痛...

人気の投稿