腎臓は工場みたいなもの
工場では受注が入ってから従業員が働いて、材料を元に製品を製造し出荷します
工場の従業員たちのマンパワーをもとに、製品を製造することができます
腎臓も同じです
腎臓という工場が作り上げる製品は尿です
腎臓に受注が入り、尿を作るようにという仕事がまい込みます
しっかり受注に応えないと、酸塩基平衡や電解質が乱れたり、
体液バランスや血圧が崩れてしまいます
腎臓の中で従業員にあたるのはネフロンです
1個の腎臓の中に約100万個入っています
従業員に払っている給料が血液になります
腎臓のマンパワーを表したものが、eGFRです
eGFRが低下していると、仕事が上手くこなせません
CKDとは仕事量(受注量)は同じなのに、マンパワーが減った状態(GFR低下)です
残った従業員が倍の仕事をこなそうとしていますが、
どんどん疲弊して、やめていきます
高血圧や糖尿病のある人の腎臓は、ブラック企業です
マンパワーがある時から、一人一人に過剰労働を強いています
放っておくと、どんどんやめていきます
従業員に負担がかかると、汗をかくように、
ネフロンに負担がかかっているとタンパク尿が出てきます
タンパク尿はネフロンの悲鳴です
では腎臓を長持ちさせるためにはどうしたらよいでしょうか?
・仕事を減らすために受注を減らす(食事療法、KやP吸着)
・給料を減らさない(脱水やNSAIDsを避ける)
・ネフロンの負担を減らす(血圧を下げる、RAS阻害薬、SGLT2阻害薬)
・外注して仕事を減らす(腎代替療法)
などがあります
腎臓にとってのRAS阻害薬やSGLT2阻害薬は、
心臓にとってのβブロッカーみたいなものです
腎臓に少しサボっていいよ〜、無理して仕事しなくていいよ〜といっている感じです
高血圧や糖尿病の場合、過剰労働が強いられていますので、
これでちょうどよいのです
ですが、脱水や血圧が低い時は腎臓の工場はギリギリのマンパワーでなんとか、
仕事をこなして尿を作っています
そんな時に従業員がサボり出したら、マンパワーは落ちてしまいます
Sick dayにRAS阻害薬やSGLT2阻害薬を内服すると、
サボってはいけない時にサボらせてしまいます
その場合、逆効果になってしまいます
sick dayの時にはRAS阻害薬やSGLT2阻害薬を内服しないことが大事です
CKDにはstageがあります
stageはGFRとタンパク尿(Alb尿)で決まります
GFRとタンパク尿は、駅と電車のイメージです
東京駅(始発駅)から函館(終点)に行く時の各駅がG〇に相当し、
函館が末期腎不全(ESRD)です
タンパク尿が多いほど、腎機能の悪化速度が早く、
普通、特急、新幹線みたいなイメージです
進行を弱めるのは、RAS阻害薬やSGLT2です
まとめ
・腎臓はネフロンという従業員たちが頑張って尿を作ってくれている臓器です
→従業員たちは年々減り続けます
過重労働させて退職をはやめるとCKDにつながります
・糖尿病や高血圧は過重労働させているブラックな状況です
→RASやSGLT2はホワイトな環境に変えることができます
・CKDのGは駅に相当、Aは電車に相当します
→CKDのStageの把握は現状評価と今後の予測に使えます
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