2018年12月25日火曜日

低体温

低体温

寒くなった影響もあってか、低体温が増えてきました

鑑別はたくさんありますが、実際は思考過程は単純です




低体温の原因は1つとは限らず、

複合してくることも多いです


結局、最初は原因がよくわからないので、

全部考えなければなりませんが、

急ぐ順があります


低体温の場合は、いつもルーチンで考えていきます


①まずは、感染症、敗血症を疑います

感染のフォーカスが分からなくても、血培は取っておくべきです

感染症でいつも悩ましいのは、だいたい意識障害があるので、

髄膜炎を疑い、ルンバールするかどうかです


血培は迷いません

ルンバールは迷います


復温しても、意識障害が遷延するようであれば、

ルンバールは閾値低めに行うのが良いと思われます


②次に、中枢神経疾患の存在を考えます

パーキンソニズムを呈するような疾患が低体温を起こすことが多いです


しかし、既存の疾患がわかっていれば簡単ですが、

背景疾患が不明な場合もあります


意識障害を伴っていることが多いので、

頭部CTも行われることが多いです

出血や血腫や水頭症は確認すると思いますが、

脳幹や小脳の萎縮くらいはチェックしてもよいかもしれません


③内分泌疾患

甲状腺機能低下や副腎不全は有名ですが、頻度は多くない印象です

チェックはしますが、ステロイドを最初から入れるかは迷います

ショックなら、臨床状況からステロイド入れることもあるでしょう


なので、どこでステロイド入れるか迷いながら、経過を見ることも多いです


④薬やアルコール

アルコールはよくありますが、

アルコールだけと決めつけてはならないので、最初からは考えません


⑤その他です





低体温の何が難しいかというと、

原因と結果が混在することです

消化管の運動が悪く、嘔吐したりすると、

意識も悪いことが多いので、

誤嚥性肺炎を合併したりします

そうすると、肺炎の影響で、

敗血症になり、低体温になったのか

よくわからない

ということはよくあります


このモヤモヤ感は低体温を診療する上で、つきまとってきます




治療は復温するときに不整脈が起こるので、

極力刺激を与えないように、管理しましょう








0 件のコメント:

コメントを投稿

今さらきけない疑問に答える 学び直し風邪診療

風邪の本といえば、岸田直樹先生や山本舜悟先生の名著があります 自分もこれらの本を何回も読み、臨床に生かしてきた一人です そんな名著がある中で、具先生が風邪の本(自分も末席に加わらせていただきました)を出されるとのことで、とても楽しみにしておりました その反面、何を書くべきか非常に...

人気の投稿