2018年7月7日土曜日

白内障

内科以外の病気から、内科疾患が見つかることは多々あります

例えば、

眼科なら、ぶどう膜炎の精査で、サルコイドーシス

皮膚科なら、日光過敏の精査で、SLE

精神科なら、統合失調症かと思ったら、ヘルペス脳炎

などなど

他の科の先生とコラボする疾患は実に多いです


そういった、内科医と他の科の狭間に落ち込みやすい疾患が、

逆に非常に面白いです

だからこそマイナーと呼ばれる科に強くなる事が、

内科医の宿題のように感じます


今回は白内障です


白内障は高齢者の疾患ですが、

若年で発症していれば、やはり何か背景にあるかもしれません


白内障は水晶体が混濁する事で、視力低下をきたす疾患ですが、

なぜ水晶体が混濁してくるかは、はっきりとは分かっていないようです

原因が分からないので、

考えても無駄です

知っているか知っていないかの世界です


全身疾患に伴う白内障は実は色々あります

内分泌系や薬は落とさないようにしたいものです

他は、何かしら症状があるので、見逃すことはあまりないと思います



特殊な気胸②

若い元気な男性の気胸でも、血胸が伴っていると治療が変わります

自然気胸の5%くらいですが、血胸を合併する事があります

まあ自然に止まるだろうと甘く見てはいけません

大量出血でショック状態に陥る人もいるので、

施設によっては、血胸を伴う気胸の場合は即手術するところもあります

ドレナージチューブを入れるのはありですが、

初めから呼吸器外科に相談しておく事が大事です


特殊な気胸①

若年男性の自然気胸はあまり焦る事は少ないですが、

続発性の気胸の場合は話が違います


まずは診断が難しいです

基礎疾患は、COPDや間質性肺炎の事が多いかと思われますが、

呼吸苦や酸素化低下、胸痛が主訴でくる事が多く、

鑑別が心不全、心筋梗塞、急性増悪、細菌性肺炎、肺塞栓と多岐に渡ります

そのため、レントゲンで気胸と分かると、

診断がついて、ホッとするのと同時に、

ドレーンをすぐに入れるべきか?

という事になります

答えは

多くの場合で、すぐに胸腔ドレーンを入れるべきです

虚脱率は小さくても、臨床的に不安定ならば、入れるべきです


ルーチンで撮ったレントゲンでたまたま、うつった小さな気胸や

無症状の気胸の場合は、タイトフォローで経過観察もありですが、

救急に主訴としてくる時点で、不安定なので、大抵はドレナージの適応です


続発性の気胸は、若い元気な男性の気胸と同じように考えてはいけない

ということを覚えておきましょう



2018年6月28日木曜日

徐脈

徐脈で無症状の人はたくさんいます

無症状なら、鑑別疾患は!?治療は!?

と躍起にならなくてもいいかと思われます

徐脈によって何らかの症状が出ている時は症候性となり、

鑑別疾患もさる事ながら、急いで治療に入らないといけません


徐脈に関連したショックや胸痛、意識消失、うっ血性心不全、意識障害があれば、

症候性の徐脈です


徐脈ショックの有名な語呂合わせに、VFAED ONというものがあります


語呂合わせは、忘れがちなところをカバーできて有用ですが、

デメリットはそれ以外の疾患である時に、想起できなくなる事です


VFAED ONにはありませんが、

頭蓋内圧亢進症でも徐脈になります

SAHで徐脈ショックの人もいました


普通は頭蓋内圧亢進の場合、クッシング現象が起きて、

血圧が高くなりますが、

SAHの人が死にかけていたら、

そりゃあ、血圧下がりますよねという話かと思います



徐脈の考え方ですが、

心臓が原因、神経が原因、その他の原因で、

分けるとわかりやすいかと思われます

徐脈の場合、まずは心臓を疑いますが、

真っ先に調べて欲しいのは、高カリウム血症です

徐脈でだるいという人を見たら、まずは血ガスとってみましょう





2018年6月27日水曜日

差し歯を見たら外す

今度は入れ歯ではなく、差し歯やインプラントを見たら外すべき時があります


インプラントとは体内に埋め込む医療機器や材料の総称で、

金属やシリコンなどが使われる事が多いです

つまり人工物なので、

当たり前ですが、感染を起こしている時は、外すべき時です

しかしそれ以外にも外す事を考慮する時があります


体内に入れても安全だとはいえ、免疫学的に言うと非自己です

自己ではない物質がずっと体にあれば、免疫は排除しようとします

その過程で自己免疫疾患を発症してしまう事があります


金属の場合は、金属アレルギーになって、皮膚トラブルを起こしたり、

掌蹠膿疱症を発症したりする事が知られています

シリコンの場合は、強皮症を含めた自己免疫疾患の発症が懸念されています


ここまでは既知の事ですが、

実は黄色爪症候群(イエローネイル症候群)の患者さんも

インプラントが原因かもしれないと考えられてきています




知っている人は、あーイエローネイルね

原因不明じゃないの?

と思われると思いますが、


最近、海外からの報告でチタンの暴露が

発症に関わっているのではないか、という報告が相次いでいます

本邦からの報告はまだないので、早いもの勝ち的な感じだと思います








イエローネイルは「合わせ技一本」の病気です


一見、かけ離れた症状なので、想起できれば、診断は容易ですが、

一つ一つで鑑別をあげてしまうとドツボにはまります


慢性咳嗽、副鼻腔炎、浮腫、爪の変色


これらがキーワードですが、全て同時期に出て来れば簡単ですが、

時期がずれて出てきます


なので、レトロで見れば、イエローネイルだ

とわかりますが、前向きに見ると、非常に診断は困難です


診断したところで、原因も治療もわかっていないので、

意味がないと思っていましたが、

チタンの暴露を避ける


つまり、歯のインプラントを取り除く事が

治療になるのであれば、

積極的に疑ってみる事も今後は考えてもよいかもしれません

もちろん、慢性咳嗽で、結核の除外を行う事や

浮腫の他の原因を詰める事が大前提であり、

除外診断とすべきです






2018年6月25日月曜日

入れ歯を見たら入れる

前回と逆に、入れ歯を入れるべき状況があります

食事の時は当たり前ですが、

食事以外でも入れ歯をつけた方がいい場面があります


入れ歯がないと、非常に話しにくいので、

呂律が回っていないと感じる時は、

入れ歯があったら、入れましょう


入れ歯の有る無しで、全然違います

何を言っているのか分からなかった人とコミュニケーションが取る事ができ、

ちょっとした魔法みたいで、感動します



挿管の時には入れ歯は邪魔ですが、

マスク換気の時は入れ歯をしておいた方が、フィットしやすい事があります



入れ歯を見たら外す

身体所見で見落とされがちな部位はだいたい決まっています

熱源がよく分かりません

と研修医の先生が言ってきた時に、チェックする部位は、

口の中です

入れ歯があれば、外します

残った歯があれば、一本ずつ叩いて、痛みがあるかチェックします

このように入れ歯を見たら外すべき時があります


では、なぜ外す必要があるのでしょうか

入れ歯をしている状態では、硬口蓋と歯肉は隠れてしまっています

つまり、硬口蓋や歯肉、残歯がみたい時に外すのです


入れ歯を外す時は、子供の頃に石の後ろのダンゴムシを探す感覚に似ています

入れ歯の裏に何かないかな?

というちょっとしたワクワク感があります



硬口蓋には意外に病気の所見が出てきます

ただし、入れ歯がずっと当たっていて、点状の紫斑が出たり、

発赤や白苔がついたりする事もあるので、

判断に迷う時もあります



歯肉にも所見は出てきます

時には切開排膿が必要な時もあるので、

適切に歯科にコンサルトできるようになりましょう


たまに歯肉に癌ができる事があります

治らないヘルペス?

と考えたら、一度は白血病を疑いましょう




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