2022年1月13日木曜日

新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書 〜オミクロン株編〜


































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追記

オミクロン株編で最も伝えたいことを教えてください


 オミクロンに限らず新型コロナウイルスについての情報は山のようにあります。今回はオミクロン株の正しい情報を皆様に知っていただきたく思い、作成いたしました。新型コロナウイルスと対峙して、2年が経過しました。その間に多くの言葉が出てきました。クラスター、デルタ、オミクロン、オーバーシュート、3密、緊急事態宣言・・・未だかつて、こんなにたくさんの情報が短期間で押し寄せてくることはありませんでした。非常にストレスフルな世の中です。情報をチェックしないと、自分が住んでいる地域の流行状況がわからず、すぐに感染してしまいます。皆様は地域の流行状況やウイルスについての情報をテレビや新聞から得て、自分の身を守っていると思われます。感染が流行しているから飲み会は控えようとか、関東への出張は見送ろう・・・というように、私たちは情報を手に入れて感染しないように行動を変化させています。ただし注意が必要なこともあります。それは、間違った情報や偏った情報があることです。そもそも間違っている情報もありますし、時間が経過して情報が新しくなり、古くなった情報にも注意が必要です。

感染症が大流行することをパンデミックと言いますが、パンデミックのように情報が氾濫して人々が混乱してしまう状況をインフォデミックと言います。インフォデミックはinformation(情報)とendemic(世流行)の合成語です。インフォデミックになると、情報が多すぎて正しい情報に到達するのが難しくなり、間違った情報が流れることで、それを信じた方に健康被害が及びます。そして情報弱者と呼ばれる情報を手に入れにくい人々が生まれます。


私は地方の中規模病院の総合診療科医です。そんな私にはパンデミックを抑える力はありません。しかし、インフォデミックならどうにかできるかもしれないと思い、説明書を作っています。過激な情報は不安を煽ります。不安が怒りや差別に変化する人もいます。オミクロン株はこれまでの新型コロナウイルスとは異なるウイルスだからこそ情報が多いです。「弱毒になった」「感染力が強い」「ワクチンが効かない」といった断片的な情報から考えると、極端な意見が生まれます。弱毒なウイルスに過剰な感染対策は必要ないという人もいます。弱毒になったというのは、「デルタ株に比べて」であり、今までの風邪を引き起こすウイルスと同じくらい弱毒というわけではありません。感染力が強くなったとはいえ、これまでの感染対策は有効です。ワクチンも意味がないわけではありません。確かに発症を予防する効果はほとんどなくなってしまいましたが、重症化を予防する効果は残っています。情報は断片的ですと、人々の油断や不安が助長されます。私もオミクロン株が出始めた時は不安でした。それは「オミクロン株」に対しての恐怖ではなく、「分からないこと」に対しての不安でした。ですが、今は不安も恐怖もありません。オミクロン株のことがかなり分かってきたからです。正しい情報を手に入れると不安は減ります。オミクロン株編では、オミクロン株に対して不安な日々を過ごしている人に向けて書きました。パンデミックに対しては、適切な感染対策で対応し、インフォデミックに対しては、正しい知識を手に入れて対応しましょう。

 

 

②予防策を含め住民が気を付けるべき点は何でしょうか


 これまでの感染対策と変わりはありません。冬になったので、より換気を徹底することが重要です。オミクロン株は感染力が高いとはいえ、感染経路に変化はありません。飛沫感染、エアロゾル感染、接触感染の感染経路がありますが、ほとんどが飛沫とエアロゾル感染です。飛沫感染を防ぐためには、ウイルスを飛ばさないようにマスクをします。換気の悪い室内では、空気中に漂うエアロゾルが発生することがあり、換気が有効です。今年の冬は一段と寒いですが、人が集まる空間では窓を開けて換気を小まめに行いましょう。手洗いやソーシャルディスタンス、密をさけることも有効な感染対策です。


感染経路の多くは家庭内です。家庭内感染を食い止めることはかなり難しいです。発症の2日前から感染力があるため、感染対策を始めた時にはもう遅いということもあります。食事を一緒にしたり、寝室が同じ場合、高確率で感染します。そのため、同じ屋根の下で生活している人は一心同体と思っていただいた方がよいです。誰か一人が感染した場合、家族全員感染してしまうということは珍しくありません。そのため、重症化リスクの高い高齢者や病気を持っている家族が居られる人は一段と注意が必要です。家庭外で注意すべきは、食事です。感染が流行している時は、同じ屋根の下で生活している人以外とは食事を共にしないことが大事な感染対策になります。これは病院職員にも徹底されており、時間や空間を分けて食事休憩をとっています。友人や同僚と食事に行けないのはストレスが溜まりますが、あくまで流行期の話です。流行がおさまれば、また食事を共にすることはできます。感染が流行している間に、行きたいお店や旅館を探して楽しみをとっておきましょう。


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