2023年4月5日水曜日

研修医の先生へ(というよりは自分への戒めとして)

 医師は残念なことに病院の中ではヒエラルキーの上位に位置しています


自分はそうじゃない!と思っていたとしても、

担当医が決まらないと、何も始まりません


バイタルを何検すればよいか

リハビリは入ったほうがよいのか

食事は食べていいのか

いつ退院できるのか・・・など


医師の決断で各職種が動けるようになります


医師はオーケストラの指揮者のような役割が求められます



指揮者が各楽器や演奏家に熟知していないといい演奏はできません


医師も同じではないでしょうか



病院にどんな職種の人がいて、

どんな仕事をしているか知っておいたほうが

よい医療ができると思いませんか


そしてどこで働いているか

ということまで知っておくべきです


電話交換の人や用務の人、清掃の人がどこで働いていたり、

休憩しているか知っていますか



一度、行ってみるといいです


いかに自分たちが恵まれた環境にいるかがわかります


自分よりも安い給料で大変な仕事をして、

労働環境も劣悪な場所で働いている人が

たくさん、病院にはいます



自分が労働環境や給料を変えることができないのであれば、

せめて、多くの人の支えがあって、

自分が働かせてもらっていることに感謝の気持ちを忘れずに働きたいものです



・あなたのワンクリックで、誰かが動く


指揮者の一振りで、トランペット奏者が演奏するように、

医師が行なったパソコンのワンクリックで、一人の人が動くのです


パソコン画面でオーダーするとどうしても機械的な印象がありますが、

その向こう側には生身の人間が動いていることを自覚しなければなりません



何も考えずDoした尿沈渣の検査オーダーで、

一人の技師さんが尿を遠心分離して、カバーガラスをかけて、

顕微鏡で覗いて、円柱の数を数えてくれています



お願いですから、腎盂腎炎のフォローで尿沈渣を入れないでください

安心したいなら、自分で尿のグラム染色してください



腎臓内科の元上司は、

聴診器も持たず、診察もろくにせず、CTを乱発する人でした


ただ必ず、自分で患者さんをCT室に連れ行っていました


そこは見習おうと思いました



他職種の仕事がわかると、

手伝えることは手伝いたいと思いますよね


医師としてというより、人として



ぜひ、一人でベッドを運んでいる看護師さんや

看護助手さんを見かけたら、手伝ってあげてください



どれだけ一人でベッドを動かすのが難しいか、

やってみたらわかります



書類の提出期限が遅れた場合、

自分の知らないところで誰かが、患者さんに謝ってくれています


患者さんを待たせてしまった場合、

受付の人があなたの代わりに謝ってくれています



本当にいつもありがとうございます

(というよりごめんなさい)


事務や受付の方にはいつも感謝の気持ちをもって接しましょう



・医師としての評価は3つ


一つ目は医師(同僚)からの評価

二つ目は患者さんからの評価

三つ目はコメディカルからの評価です


驚くべきことに、この評価が解離してしまう医師が大勢います


この評価の怖いところは、仕事をしているとわからないということです


評価がわかるのは、あなたが病院を辞める時です



気持ちよく病院を去れるために・・・

というわけではありませんが、


気持ちよく仕事をするために、

どんな人がどんな仕事をどこでしているか、

できる限り、このオリエンテーション期間中に知っておいてください



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