2019年6月21日金曜日

一次情報

皆さんの病院でもありませんか?

カルテだけの回診やプレゼンだけするコンサルト

大変よくある光景ではないでしょうか


では、何がいけないのでしょう?



それは、

患者さんに会っていないのに、方針を立ていることです



臨床における一次情報とは、

患者さんに出会って、自分でとった病歴や身体所見、

そして、自分の目でみた検査やG染色、病理結果などです


二次情報とは、

自分以外の人がとった病歴や身体所見のプレゼン内容や

カルテに書かれている情報のことです


簡単にいうと、

二次情報は、自分の目や耳で得た情報ではないのです



二次情報をまとめた、三次情報というのもあります


では、どの情報が価値が高いでしょうか?


当たり前ですが、圧倒的に、一次情報です


ダイヤモンド(一次情報)

きれいなガラス(二次情報)

石ころ(三次情報)

みたいなイメージです



人の生死にかかわる治療方針を、

人からまた聞きした情報を根拠に、決めてよいでしょうか?

人から聞いた情報は本当に正しいものでしょうか?



臨床現場では、二次情報は慎重に扱わなければいけません

間違っていることも多々ありますし、

さらに、間違った情報が、一人歩きしてしまうことすらあります


例えば、カルテにずっと記載してある「ペニシリンアレルギー」

それだけ、コピペして、延々とペニシリンが使われなくなる人もいます



カルテのコピペは三次情報です

コピペしてあるカルテは、

情報としては、「石ころ」と思っておいたほうがよいでしょう


二次情報、三次情報が正しいかどうかは、

一次情報に戻らないとわかりません


実際に患者さんに、ペニシリンアレルギーの詳細を確認して、

真偽を確かめる必要があります



コンサルトしても、

実際に患者さんに会いに来てくれない指導医のコメントは、

半信半疑で聞いておきましょう


逆に、一緒に患者さんのところに足を運んでくれる指導医は

いい指導医です


一次情報の大切さを分かっているのだと思います



よく、研修医の先生には、

自分の目でみたものしか、信じるな!

と言っています


いつも苦笑いされますが、

本当に一次情報が大事なんです

どうか、分かってください

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