2018年11月20日火曜日

仮説の立て方

医療は不確定な要素が沢山ありつつも、

進んでいかなければなりません

確定診断がついて、治療方法も確立していて、

このレール(パス)に乗れば安心

という状況のほうがむしろ少ないです

パスに乗せてはいけない症例をとりあえずパスに乗せて、

思考が止まってしまうこともよくあります


なので、毎回しっかり考えることが大事です


診断がついていなくても、治療しなければならない時もあります

病歴が不明で、病前の状況がわからない時もよくあります


そんな時は、自分なりの仮説を立てます

その仮説をもとに、プランを立てます

しかし、その仮説がよくないと、その後に悪影響を及ぼします


よくない仮説の特徴は、

一見、飛びつきたくなる仮説です

ですが、それは楽観的なことが多く、

疾患を見逃したり、感染拡大を起こす危険があります

人は楽したい生き物なので、

どうしても自分が楽になる仮説に飛びつきたくなりますが、

それはよくない仮説の可能性が高いです




よい仮説の特徴は、手間はかかります


常に最悪に備えつつ、最高を期待する仮説です


最高のアウトカムを期待し、

自分がその思いでいることを、周りのコメディカルや患者さん、家族に伝えることで、

皆が同じ方向を向いて、進んでいくことができます


注意点として、最悪に備える必要があるので、

面談の際には、最悪のアウトカムの説明は行いますが、

配分を間違えないようにします

最高を期待していることを2/3くらいの割合で、

最悪にも備えようねということを1/3程度は伝えるようにします


この比率が逆転して伝わってしまうと、

最悪を期待している医者として、とらえられる可能性もあり、

注意が必要です

あまり保守的な説明ばかりしていると、信頼をなくします




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