世の中はinfodemicですが、現場は実はinfohungerということに今日、気が付きました
※infohungerは自分で作った造語です。「情報飢餓」つまり情報不足という事です
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ある日の他の施設で働く看護師さんとの会話
Aさん「なんか、うちの県のコロナが発症した人と暴露した人が、3人熱出してるってうわさよ」
Bさん「なんか、こっちの地域まで来たらしいわね」
Aさん「こわいわよね、うちは高齢者がほとんどの施設だから、重症化する人が多いのよね」
T「そうなんですね、ところで皆さんの施設ではどんな感染対策してますか?」
Aさん「入口にアルコールの消毒液置いたり、面会は制限しています」
T「そうなんですね、今の時期はどこも大変ですね。」
Aさん「まあ、そうですね。
感染の対策のことは毎日、感染対策の人達が話し合っていますよ。
でも現場の私達はよくわかりません。あんまり情報はないです。」
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これが多くの施設や病院の実情と思われます
世の中はTVとSNSのおかげで、絶賛inofodemic状態です
情報がSNSを通じてウイルスのように増幅・伝播し、人々の中に入り込み、
不安を掻き立てています
数年前は情報がなくて困っていたのに、今は情報がありすぎて、
何が本当で、何が正しいのかを取捨選択するのが難しい状況です
特に専門家ではない一般の人にとっては、何が正しいかを判断するのは不可能でしょう
医師の場合はSNSの友人も医師が多いので、
医師同士で共有すべきことは、FBであればタイムラインに流れてきます
ですが、一般の人たちのタイムラインには過激なニュースのシェアが多く、
医学的な論文はなかなか流れてきていません
SNSがなければ、TVのワイドショーや新聞でしか情報が手に入らないので、
さらに偏った情報に暴露されることになります
ウイルスから人々を守るのも非常に大事ですが、
間違った情報から一般の人々を守るのも地域医療を担う市中病院の役割だと思います
情報が伝わる時は、情報の内容よりも情報源が誰かという方が大事です
情報源に信頼がなければ、その情報は聞き入れられません
テレビに出ている有名な感染症の先生が言った内容よりも、
いつも診てもらっているかかりつけの先生が言った内容の方が患者さんにとっては、よく伝わり、そして受け入れられるでしょう
私達は政府の報道や専門家の先生に任せるのではなく、
論文を読んだり、信頼のおける先生が発信する情報を手に入れ、
それを自分の言葉に置き換えて、地域の住民や患者さんたちに還元していかなければならないと思います
そして現場で働いているスタッフにも遅滞なく、情報を伝え続けることが、
現場のinfohungerを防ぐことになるのだと思います
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