2019年5月12日日曜日

ポータブルレントゲンの読み方

ポータブルレントゲンの読み方は普通のレントゲンの読み方とは、異なります

普通に撮ったPAと比較して、異なるポイントがあるので、

おさらいしておきましょう


まず、ポータブル写真は当たり前ですが、

実際にいい写真を撮るのが難しいということです


ポータブルということは、

患者さんが放射線室まで、降りていけない事情があります


重症であったり、

寝たきりの患者さんや手足の拘縮が強い人、亀背が強い人、様々です


そういったわけで、ローテーションがかかってしまう可能性も非常に高いので、

心拡大の評価は過大評価してしまう可能性があります


ローテーションがかかっていなくても、

AP像では、心臓や上縦隔が拡大します




他に横隔膜が挙上していたり、肩甲骨が映りやすかったりします


異常所見も解釈が異なります

CPangle dullは立位であれば、少量の胸水かもしれませんが、

臥位の場合は、かなり溜まってこないと見られません


なので、まずレントゲンを読む時は、

自分が見ている写真の条件や撮像方法を確認することから始めましょう



次に、実際に読影するときのポイントです


それは、

シルエットサインを見つけることです

シルエットサインは言葉は有名ですが、

実際にシルエットサインを探しに行っているでしょうか



画像というのは、まず目に飛び込んでくる異常があると、

それを見つけて満足してしまうこともあります

シルエットサインは注意を傾けて、

努力しないと、見えません



では、どこのシルエットサインを見ればよいのでしょうか

胸部のポータブルレントゲン写真には


たくさんの線や輪郭があります


中でも大事なのは、傍脊柱線と肺底部傍脊柱領域です


傍脊柱線がしっかり見えなければ、少量の胸水がたまっている可能性があります


肺底部傍脊柱領域が見えなければ、含気不良がある証拠です






最後にポータブルレントゲン写真だけでなく、

なんでもそうですが、

時間経過というのも非常に重要です


ワンポイントだけでは、なんとも言えない


ということはよくあります



例として、胸水が徐々に増えてくる時は、


どのように見えるかを解説します


どこのシルエットサインが陽性かで、

大まかな胸水の量を推測することができます






ポータブルレントゲン写真は、

技師さんが機械を運んできて、

撮影してくれます


とても労力がいるので、

いいポータブルレントゲン写真を撮るために、

病棟で技師さんを見かけたら、

そっと、

お手伝いましょう













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