好中球の空胞変性については、多くは末梢血のスメアによるものが多く、
グラム染色での好中球の空胞についての論文はありませんでした
今回の症例ではグラム染色で空胞が目立つ好中球が見られたため、
末梢血の塗抹標本でも確認したところ、好中球の空胞変性や中毒顆粒がみられました
ということで、好中球の細胞質内に空胞が目立つ時は、
好中球をたくさん必要としている体の状態(感染症、全身の炎症、危機的な状況)なのだなあ
という理解くらいでよいかと思います
空胞変性があるからといって、菌血症があるとか、DICになっているとか、
そこまで確定的なことまでは言えない印象です
たまにピットフォールとして、時間が経過しすぎてしまった検体であったり、
Jordans異常という先天性の疾患であることもあります
今回のグラム染色は菌ではなく、好中球にfocusしたエピソードでした
0 件のコメント:
コメントを投稿