2017年8月10日木曜日

とまらない吃逆

たまにでますよね吃逆

数分でも苦痛なのに、数日続くなんて、どれだけ苦痛な事か

数分で治れば、特に医療介入は必要ない事が多いですが、
48時間や夜間も出る吃逆は何らかの器質的な病気がある可能性があり、
医学的な評価が必要になります


脱線ですが、
有名な鑑別疾患を上げるトレーニング本として、コリンズの本があります

縦軸に解剖

横軸に病態を表すVINDICATEを並べると、

組み合わせるだけで疾患が生まれるという優れものです

学生の時は鑑別疾患があがらなかったので、
よくこの方法でお世話になりました

知らない症状は自分なりにこの表を書き、

隣に解剖や病態に関わる絵を書いて、自分なりの症候学ノートを作り上げていました

いつかこれ、売れるんじゃないかくらいまで、いい感じになったのですが、

数年後コリンズの本に出会い、夢破れました

全く同じコンセプトがすでに本になっていたので、衝撃を受けました

という、思い出深い表で、吃逆をまとめてみました




個人的にはやっぱりロジックツリーの方が実践的で使いやすいですね

この表は網羅的にはいいのですが、あまり優劣がつかないですし、
臨床に応用しにくいです

そこで優劣をつけるために登場するのが、3Cです

Common,curable,criticalな疾患を考えます




吃逆のcommonなものは、GERDです

でも忘れがちで、原因不明になったりします

Curableは肺炎や膿瘍、髄膜炎いった感染症でしょう

Criticalなものは大動脈解離や肺塞栓、心筋梗塞といった疾患です

長引くものは中枢神経病変の事が多いですね

このようにAB(VINDICATEのVがBと似ている)Cの順番で鑑別を考えると、
学生の間はいい勉強になると思います


この前に経験した症例ですが、
ワレンベルグの症例で、吃逆が3週間くらいたってようやく止まったと思ったら、
また吃逆が出現してきました

また再燃か。

と安易に考えてはいけません

プラスαが吃逆の診療には重要です

今回、吃逆が再燃してきた時はややいつもより血圧が低くて、

胸部の不快感も伴っていました

造影CTにて肺塞栓と診断されました


吃逆は何か病気があるよ。と体が発しているメッセージなのでしょう

探してみな

と言わんばかりにヒョコヒョコ出てきます


吃逆があって何かの症状がある人は
大抵病気です

原因を頑張って探しましょう


治療も大変です

でも色々あって、薬使わずに止める事が出来れば感謝されます

あまりメジャーではありませんが、寺澤ポイントは今後流行るのではと
期待しております

いつかこれで止めてみたいものです

薬なら、最終兵器ギャバロンですね

何しても止まらなかった人がギャバロンで止まる事があります








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