愚直に病歴と身体所見をしっかりとることが重要です
でもただ漠然と病歴をとっても意味がないので、
ポイントは
- ちょっと前に何をしていたか
- 既往にならない既往を探す
です。
ちょっと前に感染でも、自己免疫でも、何かしらの誘引があることが多いです
疾患によって、誘引が異なるので、鑑別疾患を意識して、
何かの暴露がなかったか聞き出します
そして既往にならないような既往を探ります
つまりカルテの既往歴の所に書かれないような既往です
例えば、
- 爪がボロボロになりやすい
- 皮膚科にかかったことがあるけど、もうかかっていない
- 日の光で焼けやすく、痛みがでる
- 口内炎がよくでる
- 結節性紅斑を疑わせるような、足の皮疹があった
- たまに赤い便が出たり、下痢や腹痛がある
- 腰が若い時から痛い
といったものです
病名にはなりにくく、大きな病気はないですか?
と聞いても出てきません
ヒントは過去カルテを見直すことです
たまに皮膚科受診歴があったり、眼科受診歴があったりすることもあります
急性の単関節炎の実際の考え方は、化膿性関節炎の除外が全てです
しかし頻度が多いのは痛風発作なので、痛風ならいいんだけどなあ、
と考えながら病歴をとります
難しいのは、化膿性っぽくはないけど、結晶誘発っぽくもない時です
その時に、上記を思い出して下さい
次は診察です
痛風はシステム1で一発診断できることが多いです
単関節炎で、足指の第1MTPなら、痛風でしょう
他の関節炎の場合でも、例えば耳介に痛風結節らしきものがあれば、
慢性の高尿酸血症がありそうだなとすぐにわかります
でもお酒は飲みませんなんて言われても、動じる必要はありません
次は皮膚と爪を見ます
皮膚では、乾癬や活動性のアトピーを探します
乾癬もアトピーも皮膚の細胞のターンオーバーが亢進するため、尿酸値が上昇します
いわゆる二次性の高尿酸血症の原因を探ればいいのです
他には、血液腫瘍や腎不全、薬が有名です
システム1で診断できなければ、システム2で全身くまなく診察しましょう
繰り返しにはなりますが、大事なのは化膿性関節炎を見逃さないことです
痛風っぽくても、原則、禁忌がなければ関節は刺しましょう
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