2017年7月6日木曜日

ミエロパチーを疑ったら

ミエロパチーはたまに出くわします
内科医としての山があるとすれば、ミエロパチーはその一つでしょう
似たような状況は間質性肺炎の急性増悪

つまりやるべきことをしっかりやる
ルーチンはルーチンでやるときです

むしろ同じ思考過程に落とし込めるので、楽ではありますが、
詰めきれない時も多く、もやもやが残る領域です

そこを詰めていくのが、内科医としての腕の見せ所でしょうか


ミエロパチーを疑う時は、幾つかあります
  • 急に歩けなくなった人
  • 明らかなレベル形成を伴う感覚障害(むしろこの所見はミエロパチーを狙わないと、とれない所見。ささっさと手足触る、なんちゃって感覚チェックではダメです)
  • 脳梗塞かと思って、頭部のMRIが空振りで、よく見ると顔はスペアされていた
  • 大動脈術後の下肢の麻痺
  • GBSかなと疑った時
  • VB1欠乏かなと疑った時
  • 転倒後、手を痛がっていて、手が上手く使えない人
などなどです。疑う事が出来たら、次はしっかりとした感覚の身体所見をとりましょう。
あとは腱反射や直腸診も忘れずに。

ミエロパチーの時のように、身体所見がものをいう時ってありますよね。
そういう時に心がけていることは、

「一手間を惜しまない」

という事。

これが一番の診断への近道であるとよく感じます。

忙しい外来でも、面倒だなと思っても、一手間かけるべき時があります
その時は割り切ってしっかり病歴や身体所見をとりましょう








Clin Neuroradiol (2015) (Suppl) 25:183–187







0 件のコメント:

コメントを投稿

今さらきけない疑問に答える 学び直し風邪診療

風邪の本といえば、岸田直樹先生や山本舜悟先生の名著があります 自分もこれらの本を何回も読み、臨床に生かしてきた一人です そんな名著がある中で、具先生が風邪の本(自分も末席に加わらせていただきました)を出されるとのことで、とても楽しみにしておりました その反面、何を書くべきか非常に...

人気の投稿