2020年12月25日金曜日

抗てんかん薬の副作用 〜いいケプラと悪いケプラ〜

 レベチラセタム(イーケプラ®︎)が使える以前と以後では、

てんかん治療が劇的に変わってしまいました


以前はとりあえず、バルプロ酸でしたが、

今はとりあえず、イーケプラ®︎の時代です


何より副作用が少なく、他の薬剤との相互作用も少なく、

他の薬剤よりも即効性があり、そこそこ効いてくれるので、非常に使いやすいです


抗菌薬と違って、AMRを考えなくてもよいので、

とりあえずイーケプラ®︎はあながち間違いではありません



ですが、簡単に使われすぎていて、間違っている場合もあります


実はてんかんでない人(後日インスリノーマによる低血糖からの発作と判明)に、

イーケプラ®︎が投与されている症例もあります


処方のハードルが下がりすぎているのが、いい点でもあり、悪い点でもあります


他にも精神症状という厄介な副作用があることを知っておいてもよいでしょう


ただし、最近はこの副作用も有名になりすぎて、副作用が出るのが怖いからという理由で、

イーケプラ®︎は絶対に使わない!というのはやりすぎだと思われます


注意しながら使えば、いいお薬だと思います































当院では当院でしか通じないパールがたくさんあります

・いつも心に薬と結核
・5+1
・腹痛は3次元で考える
・身体所見は5つの目を使う
・ワレンベルグ眼鏡をかけて診察する

などなど



そして、この症例で生まれたパールがこちらです






ハッとさせられますね・・・

2020年12月24日木曜日

非痙攣性てんかん 〜小さなピクつきに敏感になる〜

非痙攣性てんかんは、診断が非常に難しいです


意識が悪いと鑑別に挙げやすいですが、

失語や行動異常が発作様式の場合、てんかん発作を考えにくいのではないでしょうか?



そのため、原因不明の皮質症状や意識障害の場合に、非痙攣性てんかん発作を疑うことが重要です


疑ったら、次にみるところは、不随意運動がないかどうかです

唇がピクピク動いている人もいますし、手が時々、ピクつく人もいます


それはとても小さな所見ですが、

非痙攣性てんかんを疑っている文脈においては、大きな所見です



非痙攣性てんかんを疑った場合は、積極的に抗てんかん薬を用いて発作を頓挫させる努力をしましょう


診断に脳波は必須ではありません

もちろん、脳波はあった方が良いですが、緊急で脳波を取れる施設は限られていますし、

非痙攣性てんかん発作の脳波所見は非常に読影が難しいです


診断にこだわるよりも治療を優先してよいと思います


非痙攣性てんかんの治療は、VB1欠乏症のVB1補充と似ています


VB1は血液検査で測定しても、真の減少を反映するわけではありません

赤血球Transketolase活性が低下していることを確認しないと、

VB1欠乏とは言えませんが、簡単には測定できません


そのためVB1欠乏症は、VB1の反応性を持って診断が確定する病気です


非痙攣性てんかんも同じように診断的治療を検討しましょう








































気腫性骨髄炎

 

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