2023年12月30日土曜日

今年一番難しかった不明熱 〜熱と誠が大事〜










本症例は発熱はありませんでしたが、CRP上昇がありました



CTでは特別以上はありませんでした





                  ではなくて・・・









本症例は大腿部の痛みが強く、MRIを撮像しました
そうすると、わずかではありますが、筋炎を疑う所見が見つかりました





K先生からは、
「こういう時は成書を当たると良い。自分の知りたい情報は探せば見つかってしまう。
知りたい情報だけを集めてしまうと、間違いの元」
とコメントいただきました 


本当その通りですね
症例報告であれば、探せば見つかる世の中です



胆道系酵素が上昇傾向でしたので、胆石・胆管炎でなかった時は一度は考えますが、
今回は黄疸もなく、経過も違いそうですね

とはいえ、ワンサイドカットのため、治療してしまいました



本症例はランダム皮膚生検はしませんでした


















千葉大総診恐るべしですね・・・




本症例はこんな感じでした


造影MRIは他の症例報告と比べてみてもそっくりな画像でした





PETでも大腿の動脈に集積を認め、下肢限局型のPNに矛盾しませんでした

筋生検では血管炎の所見を証明することはできませんでしたが、
採取した部位が浅すぎて、血管炎を起こしている血管を拾えなかった可能性はあります


結局、下肢限局型のPNとしてステロイドで軽快しています



「人に熱と誠があれば何事も達成する。
世の中は決して行き詰まらぬ。
もし行き詰まったとしたら、
それは人に熱意と誠意がないからだ。」


北里柴三郎

光と影 〜影の部分に光を当てる〜

 40歳 女性 主訴:倦怠感、食思不振 ※症例は架空です アルコール依存症と神経性食思不振症で通院中の女性が 1週間前からほとんど食事が取れず、倦怠感を主訴に来院されました 軽度の意識障害もあり、採血をしてみるとNaが102であり、 症候性の低Na血症と診断され入院となりました ...

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