意識障害が遷延し、ICUで長期挿管管理となったため、
気管切開をした人がいました
その後、一般床にいき徐々にレベルが改善したため、
人工呼吸器を離脱することができ、
さらに嚥下機能も復活したため、
徐々にカニューレを変えていく必要がありました
このように患者さんの状態がかわれば、
気管カニューレも同じ状態ではいけません
患者さんの状態にあわせて、適切なカニューレの状態にする必要があります
人工呼吸器も離脱できて、
気切後、2-4週間くらいたって落ち着いたところで、、、
まずは、日中にカフを抜くことからはじめてみます
カフを抜いたら、途端にむせこんだり、
吸引回数が多くなったら、
まだ誤嚥のリスクが高いので、
やめておいたほうがよいでしょう
吸引回数も多くならなければ、一日中カフを抜いておきます
その方が嚥下機能は格段にあがります
カフがなくても大丈夫であれば、
側穴が付いているいわゆるスピーチカニューレに変えてみます
その際に、少しでも不安があれば、
ファイバーで気管や喉頭を観察して、
狭窄や肉芽がないかを確認してからのほうが安全です
スピーチカニューレでも問題なければ、
発声用バルブに蓋をして、普通に呼吸ができれば、
抜去することもできるでしょう
もしくはとっておきたければ、レティナにします
抜去して、気切孔が残る人もいます
残ってしまった人は耳鼻科Drに相談しましょう
手術が必要になる人もいます
知っているようで知らない気管カニューレの名称です
なかでもカフはかなり大事です
カフ圧が30cmH2Oを超える気管粘膜の血流が低下し、
50を超えると血流が完全に途絶するようです(PMID 6423162)
そのため、カフ圧は30を超えてはいけないことになっており、
20以上30未満が目安です
カフ径は、気管の内径よりも大きい大容量低圧カフというものが主流です
なぜかというと、気管は人それぞれで、形が異なるからです
C型が48%、U型が27%、D型が12%という報告もあります(PMID:6554255)
どんな形でもしっかり内腔を閉鎖できるようにならなければ、
意味がないので、気管の内径よりも大きいものが主流となっているのです
ただし、カフが膨らんでいても、上からの垂れ込みは完全には防げません
なのでカフをつけていても、上から下に流れて、痰となったり、
末梢の気管から分泌物は生まれるので、
カフをつけても、もちろん、吸引は必要です
気管カニューレの種類
MERA、Medtronic、高研の製品が使用されることが多いのではないでしょうか
それぞれの会社に特徴がありますが、
レティナは高研だけです
サイドチューブの吸引は最初はあったほうがよいでしょう
あとは、単管か複管か
カフがあるか、ないか
側穴があるか、ないか
といったことを決めていきます
患者さんの状態にあわせて、カニューレの種類を変えないと、
患者さんは苦痛ですので、適切なタイミングをみはからって、
変更していきます
ポイントは
痰詰まりのしやすさ
意識レベル
嚥下機能(誤嚥のリスク)
発声が可能かどうか
です
交換のタイミングは絶対のエビデンスはありませんが、
2週間ごとの交換がお勧めされています
もちろん、閉塞しかかっていたり、汚れやすい人はそれよりも早く交換が必要です
気管カニューレの選択のまとめ
・患者さんの状態にあわせて、適切なカニューレを選択する
・初めて経験する人は、よく知っている人に聞きましょう
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