2020年10月22日木曜日

昼カンファレンス 〜神経変性疾患を疑った時の問診〜

 72歳 男性 主訴:構音障害(※一部症例は加筆・修正を加えてあります)

Profile:HTやDLで治療中のADLフルの男性

現病歴:1年前から食後にむせるようになってきた

    近医耳鼻科に通院し、嚥下造影やファイバーが行われ、左声帯麻痺と診断された

    声帯の腫脹もあったため、腫瘍の検索のため造影MRIが施行されたが、

    腫瘍性病変は認めなかった

    神経内科の診察が加わり、球麻痺の診断となった

    上肢の腱反射亢進もみられた   

    言葉の出にくさもあり、FTDの原発性進行性失語症が疑われた

    半年前から呂律不良が悪化し、

    電話の際に会話のやりとりが困難になってきたため、再度精査目的に入院となった


既往:高血圧、脂質異常症、変形性頸椎症、亜鉛欠乏、肘部管症候群で手術後

内服:ARB、CCB、スタチン、ノベルジン

生活:ADLフル

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ディスカッション①他に聞きたいことはありますか?


T「はい、ありがとうございます。経過が長い人ですね

  では他に聞きたいことある人いますか?」


学「手足の動かしにくさはありますか?」


R「明らかな動かしにくさはありませんでした。」


I「体重減少はありましたか?」


R「ありませんでした。ずっと同じ体重です。」


N「夕方から夜になると悪化するというのは、どの症状が悪化するのですか?」


R「喋るのが一番大変になるようです。」


Y「眼瞼下垂はありましたか?」


R「ありませんでした。昔の写真まではみていません。

  財布生検はしていません。」



T「はい、ありがとうございます。他、いかがですか?」


参加者 ・・・・・


T「では、この方、何が疑われますか?

  病気というよりは、ジャンルで」


N「日内変動が目立つので、重症筋無力症とか」


T「そうですね、神経筋接合部疾患とか鑑別になりますよね。

  もう少し、大きなくくりで考えてみましょうか。」

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ディスカッション②難しい症例はしっかり悩みましょう


T「この症例はとても難しいので、snap diagnosisでは無理です。

 そんな場合は、ときほぐすイメージで考えていきます。

 いつものABCですね。困ったらABCを考えてみましょう。」


 A anatomy

 B VINDICATE P

 C 3C


 いつものやつです。

 まず経過がわかったので、病態を掴みにいきます。

 病態はVINDICATE-Pのどれでしょうか?


 Vascularでしょうか?」


学「いや、違うと思います。」


T「そうですね、vascularつまり血管性の場合は突然発症というのが、key wardsですね。

 ではI infection,inflamationはどうでしょうか?」


学「ありうる???」


T「そうですね、慢性炎症パターンとかならあってもいいかもですが、

 それにしても長すぎますから、やや可能性は落ちますね。

 例えば、VZVは下位脳神経麻痺をきたす有名な疾患ですが、

 徐々に進行するという経過は合いませんね。


 ではN neoplasma 腫瘍はいかがでしょうか?」


学「あっても良いと思います」


T「そうですね、腫瘍のように徐々に大きくなって症状を出すパターンはあってもいいと思います。

 例えば、腫瘍の頭蓋骨への骨メタで下位脳神経障害が出ることはあります。

 同時に肥厚性硬膜炎も鑑別になりますね。ここら辺はクラスターとして覚えておきましょう。


 ではD degeneration 変性疾患はどうでしょうか?」


学「うーん、わかりません。」


T「これが一番あり得ますよね。

 変性疾患とはつまり、アルツハイマー型認知症やALSとかですが、

 年単位で徐々に進行してくるものが多いです。

 今回の経過では一番、変性疾患を考えたいところです。


 ではI in toxin 中毒。これはどうでしょうか?」


学「ないと思います。」


T「そうですね、例えば市販薬のナロンエース®️という薬を飲み続けていた人が、

 複視やめまいできて、ブロム中毒だったことはありました。

 なので、中毒はまだ捨て切れないと思います。

 違法薬物の慢性中毒とかもよくわからない神経症状で来ることがあります。

  

 はい、ではC congenital 先天性疾患はどうでしょうか?」



学「この歳なので、ないと思います。」


T「そうですね、普通、先天性の例えば代謝性疾患や神経・筋疾患などであれば、

 子供の時から症状あって欲しいですよね。可能性は低いでしょう。


 では、A autoimmuno,allergy 自己免疫やアレルギーはいかがでしょうか?」


学「アレルギーは急に起こるイメージなので、ないと思います。

 自己免疫性疾患はあってもいいと思います。」


T「そうですね、自己免疫性疾患には、重症筋無力症もありますし、

 あってもいいでしょう。

 

 では、T trauma 外傷。」


学「ないと思います。」


T「そうですね、外傷も急激に完成する病像なので合わないですね。

 では、E endocrine 内分泌や電解質は?」


学「あってもいいと思います。」


T「そうですね。甲状腺疾患やクッシング症候群も筋疾患のミミックになります。

 ではPの精神疾患は?」


学「経過からはなさそうです」



T「はい、ありがとうございました。

      病態はある程度、病歴でわかることが多いです。

  ですが、解剖までは病歴から突き止めるのが難しいので、

  診察や検査が必要になります。


  参照:嚥下障害





 イメージ図を描くのは、痛みの場合だけではありません。

 このイメージ図が描ければ、どんな病態かだいたい推測することができます。


 つまりこの症例の経過からは変性疾患や自己免疫性疾患、腫瘍性病態が疑われるということです。


 中でも神経の変性疾患を疑った場合、もっと病歴を細かくとる必要があります。

 どうやってとりますか?自分なりの型はありますか?」


R「うーん、神経のセグメントごととかに取るとかですかね?

 ちょっとわかりません。」


T「セグメントごとに取るのもとても大事ですね。

 ALSの場合は特に、脳幹・頸髄・胸髄・腰髄の領域に分けて考えることが重要です。


参照:ALS


 あとはどうですか?」


I「何ができなくなったかを聞く。ですか?」


T「その通り。つまり、日常生活の動作を事細かく聞くことが重要です。


 例えば、文字を書くのが下手になってきたとか、

 箸を使うのが大変になって、スプーンを使い出したとか、

 階段登るのがしんどくなって、一階で生活することが多くなったとか、

 すぐに息切れがするので、階段を使わなくなったとか、

 食事の際に、時間がかかるようになってきたとか、

 趣味のウオーキングが億劫になって、やめてしまったとか、です

 

 そして、神経変性疾患を疑った場合の病歴は症状が出たタイミングから聞くのではなく、

 人生史を描けるくらいに、子供の頃にまで遡ります


 子供の頃は体育や運動が得意だったか、学校教育や成績はどうだったか、

 成人になってどんな仕事についていたか、

 中年になって趣味としてどんなことをしているか、


 というように、

     問診というよりは、

 その人の人生を振り返る作業が必要になると思っています。


 もしかしたら、人生を振り返ったところで診断にはつながらないかもしれません。

 ですが、人生史を聞くことは診断以外の面でも非常に重要だと思っています。


 なぜなら、神経変性疾患の場合、どんどん進行していくと、

 認知機能が低下したり、失語になったりすることで、

 自分の物語を誰にも語ることができなくなっていく可能性があるからです。



 そしてもう一つ、今後の治療に関わります。

 胃瘻を作る作らない、人工呼吸器に繋ぐ繋がない、という話が出る病気もあります。

 そんな時に、

 その人の人となりがわかっていないと、一緒に悩むことができません。


 診断と治療のためにも、変性疾患を疑った場合は、

 その人の人生史を描けるくらい問診をとってください。


 それが神経内科ではない我々にできることです。


 じゃあ、他に何か聞きたいことはありますか?」


Y「ペットボトルとかは開け閉めはどうですか?」


R「それは大丈夫です。」


Y「階段の上り下りとかはどうですか?」


R「それも大丈夫です。髪を洗うのとかも大丈夫です」


T「それは近位筋の筋力低下を狙った病歴ですね。


 神経変性疾患を疑った場合は、

 ①日常生活動作で困っていることや変わってきたことを聞く

 ②人生史を描けるように、これまでの人生を聞く


 のが大事でした。


 そして筋力低下の訴えがあった場合は、

 ①神経のセグメント(脳幹、頸髄、胸髄、腰髄)に分けて聞く

 ②近位筋と遠位筋の分けて聞く


 のが大事になります。





  

 他に首下がりとかはありませんでしたか?

 頭を支える筋力が低下すると首や肩が凝るという表現になる人もいます。

 首下がりと神経変性疾患は相性がいいというか、よくみますね。」


R「首下がりはありませんでした。」


T「あとは筋肉がつったり、ピクついたりということは自覚されていますか?

  ALSの場合、線維束攣縮を身体初見でみたりしますが、

  本人も自覚している時があります」


R「それは聞いていませんでした」


T「はい、ありがとうございました。

  時間配分を間違いまして、時間がきてしまったので今日はこれくらいにしましょう。

  この症例はまだ診断がついておらず、いまだ精査中とのことです。


  ありがとうございました。」


まとめ

・月〜年単位で悪化してきている神経症状を見た場合は、神経変性疾患を疑う

→診断は難しいのでsnap diagnosisで考えず、ときほぐすイメージで腰を据える


・変性疾患を疑ったら、①生活動作に合わせて症状を聞いていく、②人生史を把握する

→命(Life)だけでなく、生活(Life)と人生(Life)を守れるように


・筋力低下の訴えがあったら、①セグメントに分けて聞く、②近位と遠位の筋に分けて聞く

→これも生活動作に合わせて聞いていく

 


2020年10月19日月曜日

急性好酸球性肺炎 〜with コロナ時代の鑑別疾患〜

症例 25歳 男性 主訴:呼吸苦、発熱 

(※一部、症例は加筆・修正を加えてあります)


Profile;特記すべき既往歴なし

現病歴:1週間前に東京への外出歴あり、会食あり

    来院当日、乾性咳嗽が出現

    寒気と発熱も出現

    深呼吸にて胸痛も出現してきたため、救急外来受診

内服:なし 既往:なし

アレルギー歴:なし


バイタル 体温37.5、SPO2  94%、RR24回、脈120回/分、血圧120/80

呼吸音 清

CXR   明らかな肺炎像ないが、右肺の透過性低下あり

血液検査 CRP軽度上昇、好酸球上昇なし

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この時点で外出歴から、コロナを疑うのは当然です

コロナ疑いとして対応しつつ、コロナのPCR検査を行います


このコロナ時代に疎かになりがちなのが、病歴です


追加で何を聞きますか?


外出歴や接触歴だけ聞いて満足してはいけません



喫煙歴を必ず聞きます


この人は1週間前からタバコを吸い始めたとのことでした


タバコを吸い始めた若年者に起きた急性の呼吸器症状と発熱から、

急性好酸球性肺炎も鑑別になり、C Tを撮影しました


もちろん、普通の細菌性肺炎やCOVID19の可能性もあります

痰がでない人の肺炎の場合、どうしてもCTの閾値が低くなります


あまり画像で語ってはいけないのですが、

CTである程度、肺炎の原因や微生物を絞ることができますので、

コロナ時代はCTが多用されているのが、現状かと思います

致し方ないとは思いますが、その変わりCTはしっかり責任持って読影しないといけません


CTでは末梢優位の小葉間隔壁の肥厚が目立ち、気管支血管束の肥厚が顕著でした

GGOも散在していました


パッとみたら、なんだこれ???

という感じで、普通の細菌性肺炎ではないという印象でした


急性の肺水腫は鑑別になるので、こういう時は心臓のチェックが重要になります

ということで、心電図やトロポニン、BNP、UCGを行いましたが、問題ありませんでした



急性好酸球性肺炎は末梢優位のGGOが目立つ

いわゆる逆バタフライシャドーパターンが有名ですが、

そこまでGGOが目立ちませんでしたので、

本当に急性好酸球性肺炎か自信がありませんでした


そこで急性好酸球性肺炎の画像の特徴を調べてみると、

小葉間隔壁の肥厚や気管支血管束の肥厚も急性好酸球性肺炎でよくある所見でした

ということで、急性好酸球性肺炎疑いで入院となり、

コロナ否定後にBALを行ってステロイド治療をしたという症例でした

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本症例の学び

・コロナを疑わせる暴露があり、目眩しになりかけたが、タバコ吸い始めたという病歴がkeyだった

・CXRだけでは診断できなかった

・CT所見が特徴的であり、急性好酸球性肺炎が一気に鑑別の上位に上がった

・入院後、酸素化が急激に悪化したので、外来フォローにしなくてよかった

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withコロナ時代のCOVID19の鑑別疾患

PCPやCOP、肺胞出血、薬剤性肺炎、心不全など挙げればキリがありませんが、

本症例のように急性好酸球性肺炎も鑑別になります


急激に悪化していく経過はCOVID19そっくりであり、

CT画像にてGGOを呈することが多いので、忘れずに鑑別に上げておきましょう


急性好酸球性肺炎は気管支鏡検査をして診断するので、

しっかりコロナは除外しておきたいところです



急性好酸球性肺炎はタバコを吸い始めた後に出現する肺炎という、

特徴的な経過であり、とても有名な疾患ですが、

その割には稀な疾患ですので、まとまったレビューはほとんどありません


ピンとくるヒントピットフォールがあるので、覚えておきましょう



よくあるピットフォールは末梢血の好酸球をあてにしてしまうことです
最初は好中球増多のことが多く、好酸球上昇はあてにはなりません

ですが、好酸球が上がっていたら、この疾患を思い出せると思います


電子タバコで発症した症例の報告もあります
今後は増えてきそうですね

タバコ以外の吸入した物質がないかのチェックが重要になります


GGOは100%あるという報告です
あとは気管支血管束の肥厚や小葉間隔壁の肥厚が多い所見です

胸水やリンパ節腫脹もよくある所見です

画像だけで、コロナと鑑別するのは難しいのでやめた方がいいです
ブロンコが必要になるので、さっさとPCRとりましょう



急性好酸球性肺炎は一般的に予後良好な疾患ですが、
中には致死的な症例もあります

致死的な症例の多くが、牽引性気管支拡張を伴っていたという報告が日本から報告されています


ステロイドの決まったレジメンはありませんが、
2週間で終わるレジメンが多いようです




まとめ
・with コロナ時代でも病歴をしっかりとる
→暴露歴(外出や接触歴)はもちろんだが、喫煙歴も忘れずに

・CTの閾値が低くなっている今だからこそ、CTの読影力を上げておく
→急性好酸球性肺炎のCT画像は特徴的(GGO、気管支血管束の肥厚、小葉間隔壁肥厚)

・急性好酸球性肺炎は気管支鏡検査が診断には必要なので、早めにコロナを除外しておく
→ステロイドが治療薬なので、どちらでも効いてしまうが、
 原因がタバコのことが多く、再発を防ぐためにもしっかり診断できた方が良い


参考文献:Uptodate
European Journal of Radiology 65(2008)462-467
→29例のCT所見のまとめ
Respiratory Investigation 57(2019)67-72
→日本からの報告、急性好酸球性肺炎の中には致命的な症例もあり
 その症例は牽引性気管支拡張の所見がある人が多かった
Intensivist Vol.5 NO.4 2013-10
ERJ Express. Published on May 17, 2012 as doi: 10.
→ステロイドのレジメンの推奨:2週間と4週間では効果同等



2020年10月11日日曜日

感染症セミナー 〜with コロナ(後半)〜

 前半のまとめ


糖尿病で透析を行なっている62歳男性が、意識障害・呼吸不全で救急搬送となった

来院後、肺炎、心筋梗塞の診断がついたが、

暴露歴からコロナ対応しながらICU入室となった

挿管・人工呼吸器管理・CHDFにて全身管理し、

MEPN・VCMの抗生剤投与が行われていたが、呼吸状態の改善を認めず、

高熱がday4で出現した

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ディスカッション②

熱源は何でしょうか?どのような対応をしますか?


T「さて、院内での発熱に準じて考えてみましょう。

 考え方は3つありましたね。何でしたっけ?」


TT「まず、入院の原因となった現病に伴うものを考えます。

  つまり今回では肺炎の診断ですが、

  肺炎の原因微生物のカバーができていないことが一番の原因だと思います。


  次にその病気に対して、介入したものを考えます。

  今回では、デバイスが入っているのでデバイスの感染や薬剤熱、

  あとは褥瘡感染なども鑑別になります。


  最後にそれとは全く別の原因について考慮しますが、

  今回は可能性は低いと思います。」





T「はい、その通りですね、ありがとうございます。

 やはり今回は肺炎が画像上も悪くなっており、

 呼吸状態が改善していないことからも、現病の悪化が疑われます。


 MEPN,VCMでカバーできていない感染症となると何が考えられますか?」


N「うーん、そうですね。。。真菌、PCPとかですかね。

  βDグルカンは一応出しておきたいです。

  あとは、CVが入っているので、カンジダとか・・・」


T「ありがとうございます。

 確かに、PCPは大事な鑑別ですね。

 カンジダも重要な鑑別です。

 あとはクリプトコッカスやアスペルギルス、ムコールも鑑別ですね。


 他にどうですか?

 この人の背景を思い出してみてください。」


S「透析患者さんでしたので、結核も考えないといけないと思います。」


T「そうですね、結核は重要な鑑別です。

 透析で除水しているのにも関わらず、

 胸水が増悪しており、結核は考えないといけません。

 痰の抗酸菌染色では検出されませんでしたが、それだけで除外はできません。

 

 胸水を穿刺し、性状を確認し、ADAをみたいところですね。


 あとはいかがでしょうか?」


T T「膿胸になっているかもしれませんので、やっぱり胸水はみておきたいと思います。」


T「はい、ありがとうございます。

 この時点では他の真菌や結核をすぐに治療するのは、やや憚られる状況ですね。

 やっぱり治療する証拠が欲しいところです。


 あとは、他のチームの方が最初に言っていた病気ですね。

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経過


βラクタム系が効果がない肺炎であり、レジオネラ感染が疑われた

そのため、痰のレジオネラのlampを提出し、ニューキノロンを加えて治療を行なった

尿は透析患者さんであり、全く出なかった


キノロン開始後、翌日には解熱が得られ、呼吸器の設定も下げることができた


後日、レジオネラのLamp法が陽性という結果で帰ってきた


診断はレジオネラ肺炎だった

意識状態も改善し、無事退院することができた





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学び


本症例はコロナ禍での重症肺炎という症例でした

コロナ禍でなければ、

旅館→温泉という思考過程になり、レジオネラをすぐに想起できたはずでした


ですが、コロナ禍では、旅館→コロナという思考過程になってしまい、

レジオネラ肺炎を想起するのが遅かったという反省症例です



理由を挙げると

・不特定多数の人と接触している暴露歴から、コロナ対応したまではよかったが、感染対策(挿管・ゾーニング)で頭がいっぱいになってしまった

・合併している心筋梗塞や心不全、意識障害など重症な状態であり、バイタルの立て直しや処置(CV・挿管)で、頭がいっぱいになってしまった

・髄膜炎対応をして、MEPN・VCMを入れて、思考が止まっていた

・尿中抗原がすぐに出せなかったので、レジオネラのLampを出すハードルが高かった

・深夜だったので、疲れていた

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本当にコロナって嫌な感染症ですね

自分の臨床力が試されているという感じです


頭がコロナでいっぱいになったとしても、感染症診療の大事なところは忘れずにいたいものです

今回のセミナーで、改めて感染症のロジックの重要性を再認識させていただきました


発表者の方々、大変勉強になる症例ありがとうございました

一緒にディスカッションしてくれた先生方、

準備に関わってくれた先生方、司会進行をいただいた先生方、

レクチャーしていただきました大曲先生、忽那先生、ありがとうございました

感染症セミナー 〜with コロナ(前半)〜

 62歳 男性 主訴:倒れていた (※一部、症例は加筆・修正を加えております)

Profile:DMで透析中、ADLはフル

現病歴:旅館で勤務

    同僚が勤務に来ない患者を見に行くと、自宅の部屋で倒れていた

    救急車要請し搬送となった

(本人からは病歴とれず、同僚からのみ病歴が取れる状況)

    前日、会った時は元気そうだった

             最終の透析日は2日前、予定では来院日の翌日が透析日 


既存症:高血圧、狭心症、糖尿病

内服:アムロジピン、カンデサルタン、トラゼンタ、バイアスピリン

生活:旅館で勤務、飲酒なし、喫煙 20本/日 


来院時バイタル:BP127/75, P 86,  T 39.7 , Spo2  73% (RA) →95% (7L) ,RR 32

          意識レベル 不穏状態で指示入らず

身体所見 項部硬直なし 

     心雑音なし  呼吸音 wheezesなし cracklesなし

     腹部 圧痛なし

     下肢浮腫なし 関節腫脹なし 皮疹なし

血液検査 WBC 11000,Hb 8,  Pat  12, CRP 11

     トロポニン上昇あり、BNP  上昇

                     LDH 軽度上昇あり、CK 軽度上昇あり

CXR  両側下葉の透過性低下あり

CT  両側下葉にコンソリデーションあり、胸水少量あり

   血管陰影の増強あり

ECG   広範囲でST-T低下を認める


痰G染色:白血球少数、扁平上皮少数、porimicrobaial patern


重症肺炎、心筋梗塞が疑われ、集中治療室へ入室となった

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ディスカッション①

重症患者さんですが、どのように考えていけばいいでしょうか?

最も気を付けたいポイントはなんでしょうか?


T(ファシリ)

 「はい、DMで透析中の62歳男性の急性の経過で起こった意識障害、呼吸不全という症例ですね。

 肺炎はありそうですが、さらに心筋酵素上昇や心電図変化も伴っており、

 心不全の合併もありそうな感じです。

 多臓器にまたがるプロブレムがあり、by systemで考えた方がいい症例ですね。


 さて、まずはどのように考えますか?第一印象はどんな感じですか?」


S「バイタルからは敗血症が疑われる状況です。

 原因は肺炎だと思われますので、早めに抗生剤を投与していきたいです。

 あとNSTEMIもありそうなので、循環器にも声をかけたいです」


T「はい、ありがとうございます。

  早めに抗生剤入れたいですよね。

  では抗生剤は何を使えばいいでしょうか?」



S「うーん、そうですね・・・」


T「先ほどのレクチャーでもあったように、感染症を疑った場合は、

  ロジックで考えていくのが重要です。

感染症診療 初めの一歩



  一番大事なのは患者背景です。


  どんな患者さんかが分かれば、自ずと菌名もわかってきます。

  そうすれば、何の抗生剤を使うべきかも見えてきます。


  この患者さんの人となりはどうでしたか?」


S「糖尿病があって、透析している方です。あと喫煙者で、vascular riskの高い方です」


T「そうですね、糖尿病と透析というのは、とてもコモンな免疫不全の原因です。

 糖尿病や透析に特徴的な感染症はご存知ですか?」


S「わかりません」


TT「ぱっとは出ませんが、緑膿菌感染は考えたいです。」


N「透析の人であれば、穿刺部位からの感染は考えたいです」


T「はい、ありがとうございます。

  そうですね、糖尿病で特徴的な感染症があるので、知っておいてもいいですね。



  あと透析の方の場合は、結核のリスクが高いので注意が必要です。


  


  

  糖尿病や透析というのは、「免疫」という観点からの人ととなりでした。

  「暴露」という観点からの人となりはいかがでしょうか?」


S「旅館で働いているので、都会の方との暴露はあるかと思います。

  それ以外の暴露については、病歴が聞けないのでわかりません。」


T「そうですね。この時代は不特定多数との人の暴露、

  つまり3密への暴露が、一番、医療者を緊張させますね。


 ということで、コロナ対応しますか?」


S「肺炎もありますし、呼吸不全の状態でもありますので、コロナ対応はした方がいいと思います。」


T「他の方も同じですかね、

 そうですね、では個室隔離として入室時はPPEを装着し、

 患者さんにはサージカルマスクをつけてもらいましょう。

 でも不穏状態・意識障害のせいで、なかなかマスクもつけられなさそうですね。


 感染症診療で次に考えるべきは、感染臓器です。

 肺炎はありそうですが、他にfocusとなる臓器はありますか?」


  

T T「意識障害も伴っているので、髄膜炎対応をした方が良いかもしれません。」


T「ありがとうございます。そうですね。

 髄膜炎対応するとすれば、どういう対応になりますか?」


TT「血液培養をとって、デキサート®︎を点滴して、

  抗生剤をすぐに点滴します。セフトリアキソン、ビクシリン、バンコマイシン、

  ヘルペス脳炎を疑う状況であれば、アシクロビルも投与します。

  そして落ち着いたら、髄液検査を行います。」


T「はい、ありがとうございます。点滴ではなく、本気の髄膜炎対応の時は、

 ivでいいですよ。VCM以外はね。

 髄膜炎を疑ったら、30分以内に抗生剤を投与しなさいと言われるような疾患だから、

 本気で対応する場合は、ivでお願いします。



髄膜炎対応



 この症例は髄膜炎対応すべきでしょうか?」


N「そうですね。した方が良いかと思います。」


T「みなさんも同じ意見ですかね。

 そうですね、意識障害の原因は実は肺炎や敗血症性脳症でいいかもしれません。

 でも、髄膜炎でもいいかもしれませんよね。

 

  迷ったら、やる。


  これは救急やICUの世界ではよく言われることです。

  結核対応、コロナ対応、髄膜炎対応・・・

  

  〇〇対応をするかどうかは、誰かがそれを口走ったら、やった方がいいです。

  やらない時に限って痛い目に合います。


  ということで、今回の症例は髄膜炎対応しつつ、コロナ対応するという非常に忙しい状況です。

  さらに心臓の虚血も絡んで心不全になっており、

  透析もすぐに必要な状況で、不穏状態という大変な状況です。

  

  バイタルを立て直すためにも、挿管して人工呼吸器管理が必要そうですね。」

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経過

都会の人との暴露があり、コロナ対応でICUの個室に入室となった

その後、不穏状態で透析を行うことができず、鎮静・挿管・人工呼吸器管理を行なった

血圧も低下し、CV挿入し、NAが開始となった

Aラインと胃管も留置された


抗生剤は髄膜炎も念頭にMEPN,VCMが投与開始となった

当初は髄膜炎を積極的に疑ってはおらず、ステロイドの投与は行われなかった

鎮静後に髄液検査施行し、細胞数やタンパクの上昇は認めず、髄膜炎は否定的だった


その後、呼吸状態は横ばいのまま推移

呼吸器の設定を下げることができなかった


高熱も持続し、3日間が経過した

この時点で、初日の血液培養は陰性

痰の抗酸菌染色は陰性、コロナのPCRは陰性だった


そのため、再度、fever work upを行なった


・CRBSIを疑い血液培養を採取し、カテーテルの入れ替えを行なった

・画像評価を行うと、肺のコンソリデーションが増悪しており、胸水が悪化していた

・CDトキシンを提出したが、陰性であった


(前半終了)


  

  

2020年10月8日木曜日

昼カンファレンス 〜でも逆はよくない〜

95歳 女性  主訴:左下肢の痛み (※症例は一部加筆・修正を加えてあります)

Profile:要介護5、ほぼ寝たきり、施設入所中

現病歴:4ヶ月前から急に左下肢の浮腫が出現 痛みも伴っていた

    慢性心不全と診断され、フロセミドの内服が開始された

    3ヶ月前、浮腫が増悪し、フロセミドが増量されて軽快した

    2日前、発熱認め、左下腿の発赤・腫脹・滲出液が出現

    前医にて抗生剤処方された

    来院当日、症状改善せず救急外来受診


バイタル

血圧83/53、脈102、呼吸数22、体温37.8度、SPO2  92%

見た目 不穏状態

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ディスカッション①他に聞きたい情報は?


司会T「はい、ありがとうございます。

   ショックバイタルですので、悠長に病歴聞いてもいられませんが、

   他に聞きたい情報はありますか?」


K「飲んでいる薬はなんですか?」


N「たくさんあります。」


既存症:高血圧、糖尿病、Af、脳梗塞、症候性てんかん、喘息、便秘

内服:カルシウム拮抗薬、硝酸薬、フロセミド、ネシーナ、リクシアナ、イーケプラ、デプレノン、ピコスルファート、酸化マグネシウム、カロナール、エビナスチン、オーグメンチン、サワシリン、マイスリー


T「わーお、たくさんだね。笑

  こう言うのなんて言うか知ってる?」


学「・・・・」


T「ポリファーマシーだね。

  そして、マルモだね。multimobidity(多疾患併存)の略です。


  この人は多分、骨粗しょう症もあるよね。

  ガイドラインが入り乱れている世の中で、病気ごとにしっかり、

  ガイドラインを遵守したら、大変な数の薬を飲まなければならなくなるね。

  それが果たして、患者さんにいいことをしているのかなぁ?

  

  マルモの場合、それぞれの病気のプロブレムリストを作ると、

  #1〜#13・・・と膨大な数になってしまう。


  だから最近は、ICUの時のカルテのように臓器別に考えたり、

  

  このようにパターンごとに分ける方法が推奨されてきています

マルモのみかた

  

  目の前の患者さんの病気を「虫の目」でじっくりみるのではなく、

  「鳥の目」のように、全体像を俯瞰してみてみましょう。



 覚えておいて欲しいのは、高齢者が救急外来にきたら、

 まず、薬の関与を疑ってください。

 病気を考える前に、薬のせいにしてみるのが、コツです。

  
  

  さて、今回であればどんな薬が悪さしてそうですか?

  入院になったら、みなさんはどの薬を中止したいですか?」


Y「カルシウム拮抗薬は浮腫む副作用があるので、中止した方がいいかもしれません。」


T「そうだね、カルシウム拮抗薬で浮腫んでしまって、フロセミドが処方される。

  よくある処方カスケードですね。

  いいと思います。」


O「後はリクシアナを飲んでいるので、腎機能悪かったりしたら、

  効きすぎて血腫や出血傾向になっているかもしれません」


T「その通りですね。凝固系は確認しておきたいところです

 ありがとうございます。


 そんな感じでOKです


 ある症状をみたときに、すぐに病気がなんだろう?

 と考えるのもいいのですが、

 同時並行で、薬害の可能性はないか?

 と考える癖をつけておきましょう。

 

 では、他に聞きたいことはありますか?」

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ROS:体重の推移不明、血便なし、血尿なし、悪寒戦慄なし、転倒歴なし


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ディスカッション②何を考えて、どう動く?


T「実際はバイタルが良くないので、病歴-診察-検査-治療が同時並行で進むと思います

  この後、診察していくわけですが、何かを疑わないと見落としてしまいます。

  

  この時点で何が思い浮かんでいますか?」


O「蜂窩織炎や丹毒といった感染症を考えています。」


T「そうだね、もう一声。

 この前の進化する感染症っていうレクチャー聞いた?」


O「はい、聞きました。えっと、壊死性筋膜炎も鑑別になります」


T「その通り!

 よく覚えててくれたね。あのポケモンレクチャーを(笑)


進化する感染症


 感染症は放っておくと、どんどんひどくなって進化(悪化)してくるっていう話ですよね。

 皮膚軟部組織感染症だと、

 丹毒、蜂窩織炎、皮下膿瘍、壊死性筋膜炎、化膿性筋炎、骨髄炎みたいな感じですね。

 もちろん、この流れで進むわけではないですし、

 いきなりすっ飛ばすこともありますので、あくまでイメージです。


 今回であれば、蜂窩織炎と思わしき人がショック状態になっている。



 蜂窩織炎 + ショック = 壊死性筋膜炎

 

 とまずは考えちゃっていいです。

 

 そして、この状況ならあと2つ考えておかなければならないことがあります。

 なんだかわかりますか?」


聴衆・・・


TR「TSSですか?」


T「その通りです!

 蜂窩織炎の原因菌として、ブ菌や溶連菌で、

 さらに毒素産生するタイプであれば、TSSを合併することもあります。

 第二の公式として、

 

 蜂窩織炎 + ショック = TSS


 これも忘れないようにしましょう。

蜂窩織炎のみかた

 

 TSSと壊死性筋膜炎を見極めるためには、TSSの所見を取りに行く必要があります。」


T R「全身の紅斑や目の充血ですか?」


T「そうです。あとは下痢も重要です。


 今回のようにショックバイタルだと皮膚の紅斑がわかりにくいことがしばしばあります。

 皮膚を押してみてはじめてわかる紅斑もあります。


 White Island in the Red Sea


 というのは、デングの皮疹でよく言われるタームですが、

  TSSの時もそんな感じになります。

 押したところだけ、薄ら紅斑が消退して、白い島状に見えます。

 

 これは疑って、皮膚を押さないと見落とします。





 TSSは菌の量が問題ではありません。

 菌が一匹でもいたら発症する病気と覚えておきます。

 

 ドレナージの必要性がとても高い疾患です。


 この時点で 蜂窩織炎 + ショック = 敗血症

 

 という公式をまず、思い浮かべてしまうと、

 血培とって抗生剤点滴までは一緒ですが、

 TSSと壊死性筋膜炎のようなドレナージが必須な疾患を見落としかねないので、

 まずはこの二つを思い浮かべてください。


 そして、もう一つ。なんでしょうか?」


TR「DVTや化膿性血栓性静脈炎ですか?」


T「うーん、というより、DVTからの肺塞栓ですね。

  何はともあれ、ショックで足が腫れてるからね。

  だから頸静脈もみるし、早めに心臓に超音波を当てたいですね。

  さて、実際はどんな所見でしたか?」

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身体所見

頭頸部 特記事項なし

胸部  心雑音なし crackleなし

腹部 圧痛なし 脊柱巧打痛なし 褥瘡なし

左下腿に地図上の紫斑あり

周囲は発赤・腫脹・水疱形成あり

発赤を超えた範囲に疼痛あり


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ディスカッション③どう動きますか?


T「わーお、教科書的な壊死性筋膜炎の皮膚所見が揃っていますね。

 この後、どうしましょうか?」


O「血液培養とって、抗生剤の点滴を開始します。

 輸液を行って、血圧上がらなければNA使います。

 

 壊死性筋膜炎を疑っているので、整形外科にコンサルトして、

 試験切開をお願いしたいと思います。」


T「素晴らしい、その通り!

  うちはすぐに整形の先生が開けてくれるから、とても助かります。

  

  だからこそ、内科医もそれなりの準備をしておく必要があると思っています。

  詳しくはwebで。笑」

 壊死性筋膜炎の対応

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実際の経過

N「実際はみなさんのいう通り、整形外科にすぐコンサルトして、試験切開が行われました。

 ですが、dish water signやfinger testも陰性で、

 G染色も陰性で、後日の病理でも壊死性筋膜炎の所見はありませんでした。

 

 結局、抗生剤の点滴で改善しました。


 見た目の皮膚所見が派手で、バイタルも悪かったので、

 絶対に壊死性筋膜炎だと思ったら、蜂窩織炎だったという印象的な症例です。」



T「そうだったんですね。それはよかったです。

 一番、happyな経過です。

  

 でも逆は良くない。

 この皮膚所見とバイタルからは誰がどうみても、壊死性筋膜炎を考えます。

 

 マネージメントとしては、全く問題ないというか、

 素晴らしかったと思います。


 あえていうなら、超音波検査はしておいてもよかったかもしれませんね。


 はい、では今日は壊死性筋膜炎かと思ったら、蜂窩織炎だったという症例でしたね。

 勉強になりました。ありがとうございました。」




2020年10月7日水曜日

新型コロナウイルスとICU管理  〜人工呼吸管理を中心に〜





































※PCVの時、プラトー圧を測る必要があるのは、吸気流量=0でない時
吸気流量=0であれば、PCVであればプラトー圧はPi+PEEPでよい






driving pressuure(駆動圧)と経肺圧が、
VALIを防ぐための重要な因子であることがわかってきている

駆動圧が小さいほど生命予後が改善する可能性がある


経肺圧は気道内圧–胸膜圧で表されるが、実際はPEEP圧–食道内圧で計算される
経肺圧が実際の肺胞上皮にかかっている真の圧力である

実は肺胞上皮にかかっている真の圧力は、気道内圧ではなく、
肺胞上皮の内側からかかる圧(気道内圧)と外側からかかる圧力(胸腔内圧)の差である

これが経肺圧であり、肺胞伸展圧やストレスとも言われる
経肺圧が大きいとVALIが起こりやすい








参考文献:Intensivist VOL.10 NO.3 2018-7 特集 人工呼吸器
     ntensivist VOL.10 NO.2 2018-4   特集 酸素療法
     ntensivist VOL.12 NO.1 2020-1 特集 生理学
                   ARDS診療ガイドライン2016
        呼吸器ジャーナル vol.67 no.1 2019
       新型コロナウイルス感染症 診療の手引き・第3版



気腫性骨髄炎

 

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