Top of the basilar syndrome
1980年にCaplan先生が脳底動脈の遠位閉塞によって起こる中脳・視床・側頭葉・後頭葉の一部の脳梗塞をTop of the basilar syndromeと命名しました
この脳梗塞を知っておく意義をまずご説明いたします
この脳梗塞は意識障害がメインの症状になることがあり、
レベル300で来院された場合、脳梗塞をすぐに想起できない可能性があります
非痙攣性てんかん?何かの脳症?薬のせい?
ま、一晩様子見て目が覚めなかったら、MRI撮ろうか・・・
といって翌日、中脳や視床の梗塞が見つかってびっくり!
tPAの時間を超えてしまう・・・
来院時にMRIを撮っていたら、tPAに間に合っていたのに・・・
ということがあり得ます
脳梗塞でも意識障害がメインなことがあり、
その一つがTop of the basilar syndromeです
行動異常(意識障害)が半分以上にみられます
いつものあの人の行動ではない・・・
なんだか、小声でボソボソ喋るし、元気なさそう
食事を作らなくなった、新聞を読まない、散歩にいかず部屋にこもっている・・・
こんな感じの行動異常で、家人がおかしいなと思って救急に連れてくることが多いです
あとは中脳がやられた場合、目の症状が出ることが多いです
意識障害で診察があまりできなくても、目の所見はとれますので、
目をよくみましょう
Top of the basilar syndromeは中脳や視床が障害を受けることが多く、予後はあまり良くありません
予後が良いのは、
・最初のNIHSSの点数が低い
・再灌流できた
・教科書的なPCA(胎児型ではない、後交通動脈がある)
Fatal typeとは後大脳動脈が前方循環から血流をメインに供給されているパターンです
fatal typeでは予後が悪いと言われています
この辺の血管はバリエーションが豊富です
2つの症候群になると言われています
一つ目は、locked in syndromeで四肢麻痺・顔面表情筋麻痺になります
二つ目は、Top of the basilar syndromeです
予後が悪いので、なるべくtPAと血管内治療につなげたいです
そのためには、脳梗塞を早期に疑うことです
0 件のコメント:
コメントを投稿