病理がややこしいので、まずは臨床で出会った時の考え方です
まずは脂肪織炎と認識するためには、
少し盛り上がった楕円形の紅斑で、痛みがあり、
表皮に異常がなければ、脂肪織炎を疑います
ポイントは典型的な結節性紅斑と言ってよいかどうかです
下腿の伸側で、潰瘍病変がないものが典型です
そのような結節性紅斑を見たら、生検は必ずしも必要ではありませんが、
背景疾患の検索は必要です
多くは特発性ですが、感染であれば、溶連菌やヘルペス、エルシニア、リケッチアなど
自己免疫性疾患では、サルコイドーシス、ベーチェット、IBD、シェーグレン症候群、
腫瘍、薬剤といった背景がないかを探します
典型的な結節性紅斑でない時、
特に注意すべき脂肪織炎があります
結核で起こるバザン硬結性紅斑と呼ばれるものです
下腿の屈側に起きた場合は、考えます
上肢、顔面に出来た場合は、皮膚ループスの可能性があります
Lupus profundusと言われて、難治であり
美容予後が非常に悪いといわれています
あとは腫瘍のことが稀にあるので、
結節性紅斑以外に知っておいたほうがよい脂肪織炎はこの3つかと思います
では典型的な結節性紅斑とは言えず、生検をしようということになったら、
気をつけることは、パンチ生検ではなく、
しっかり切開をして、脂肪をしっかり取ってもらうことが重要です
生検したものの管理は、皮膚科の先生にお任せではなく、
内科医の仕事ですので、
狙っている病気に応じて、何を出すか考えておくことが重要です
では、次に病理についてです
役者は脂肪組織と隔壁と隔壁内の血管です
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