FDの治療は、効く薬を探す感じでローテーションされていきます
もしくは薬が追加されて、どんどんポリファーマシーになります
FDに対して使える薬を使っても全く改善しないと、医師も患者も焦り始めます
治療効果判定は一応、4週間となっています
ガイドラインでは初期治療として、酸分泌抑制薬、運動機能改善薬を使い、
二次治療として抗不安薬、抗うつ薬、漢方薬を推奨しています
そして二次治療で効果がなかった場合を治療抵抗性FDとしています
その場合の考え方として、
①本当は器質的疾患がある
例えば、見つかりにくい膵癌です
膵癌の人は胃もたれのような症状もよく訴えます
単純CTでは分からないこともあるので、疑えば造影CTで検索しましょう
あとはアミロイドーシスや強皮症、好酸球性食道炎といった疾患も最初は分かりにくいです
②実は精神疾患がある
うつ業や不安神経症、強迫性障害、身体表現性障害といった疾患の合併が懸念されます
もしくは背景に知的障害やADHD、自閉症スペクトラム症があることもあります
疑えば、精神科にも併診をしてもらいましょう
BPSモデルで病態仮説の構造を考える
BPSモデルを用いて、準備因子、発症因子、持続因子を考えます
FDの症状は、あくまで氷山の一角に過ぎません
背景に介入しなければ、FDが治らないのはこのためです
病態仮説を考えたら、次はどこの問題にアプローチすべきか優先順位をつけることです
職場や家庭、学校、人間関係いろいろあるでしょう
医師だけでは難しいこともあるので、多くの人を巻き込むことが重要です
治らないFDを掘り下げていったら、とんでもないところまでいく症例もあります
FDは奥が深い疾患です
最後はもう自分自身が治すつもりくらいで対応していきます
治療的自我と呼ばれます
難治性・治療抵抗性FD
・本当は器質的疾患、実は精神疾患が存在している可能性がある
・治療抵抗性の場合、BPSモデルを用いて、病態仮説の構造を立てる
→FDの症状はあくまで氷山の一角
・最後は自分自身と患者の良好な関係が、症状を緩和することになる
→治療的自我
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