医学界にはたくさんの良書がありますが、良書とはなんでしょうか
分かりやすい本?
明日から使える本?
エビデンスがたくさん載っている本?
自分の中では、この本が良書かそうでないかにはたった一つの基準があります
それはその著者に会いたくなるかどうかです
「ERのクリニカルパール 160の箴言集 岩田光永 医学書院」はまさしく良書でした
特に第一章にコミュニケーション・リーダシップを持ってきているところが秀逸です
第一章からの抜粋したパールです
パール①ERで笑うな
当たり前ですよね、でもできていないんですよね
・・・気をつけます
パール⑤すべての患者に治癒をもたらすことはできないが、すべての患者に親切にすることは可能である!
自分が親切にしたと思っただけではダメなんですよね
それが相手にも伝わっているかが大事な事ですね
パール⑥医療は正論だけでうまくいくとは限らない!
医者がすることは正論を振りかざして、患者さんを論破することでしょうか。
違いますよね
パール⑨ERでの情報遮断は命取り!
ERでの情報というのは生もので腐りやすいものです
ERでのトラブルの多くが、コミュニケーションエラーであることはよく知られています
パール⑩失敗は継ぎ目で起こる!
誰もが一度は経験済みなのに、何度も起きるんですよね
引き継ぎは毎回気を引き締めて行いましょう
といったように心にぐさぐさと刺さるようなパールがたくさん出てきます
本書でも語られていますが、これはエビデンスをベースにした本ではなく、
現場・実践・臨床をベースにして作られた本です
だからこそ、現場で働いている人の心に響きます
響かなかったパールはまだ経験したことがない項目なのだと思います
ただ、研修医の先生がこの本だけを読んで勉強するのは難しいかもしれません
本書の使い方としては、研修医の先生にフィードバックする時に、
ピンポイントで本書のパールを引用して使うと、説得力がでると思うので、
どちらかというと、専攻医や上級医向けの本だと思います
もちろん、研修医の先生が読んでも大変勉強になりますし、モチベーションを上げてくれる本です
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