2020年9月25日金曜日

学生時代の勉強法

NEJMのclinical problem solvingはとても勉強になります

前回の肝蛭症もそうですが、NEJMのCPSから学ぶことは多々あります


学生や研修医の間で、NJEM勉強会がありますが、

case recordsかCPSが選ばれることが多いと思います


Case recordsは解説が最後にどっさり・・・という感じで結構、読むのがヘビーなことが多いです

誰かコメンテーターがいるのであれば、case recordsを使用しても良いと思いますが、

学生だけの場合は、CPSの方がお勧めです


短いですし、症例として比較的簡単な症例が多いです

何より、段落ごとにコメントが載っているので、それがとても勉強になります


コメンテーターがいない勉強会や一人で勉強したい場合は、CPSの方が良いかと思います



学生時代の自分の勉強方法を少し紹介させていただきます


各科ごとの縦割りの勉強は嫌いでしたが、症候学はとても好きでした

症候学はまさに横の糸のイメージです

縦だけの各科の勉強だけしていても知識として身に付かず、

そこに横の糸が加わることで、知識の定着が格段に良くなりました

あとはその知識を実際に使う練習をします



毎週、NEJMのCase recordsを読む勉強会がありましたので、

それに向けて勉強していました


まずNEJMのタイトルを見て、その症候の勉強をします

 case 31-2010:A 29 year old woman with fever after a Cat Bite


上記であれば、発熱の症候学をまず勉強しまくります

ここで大事なことは、何冊も「発熱」についての症候学を論じている本を読むことです

一冊ではなく、最低3冊くらい・・・


今はいい本がたくさん出ているので、逆に迷いますよねぇ

下記は僕の時代の参考資料っていうことで・・・(13年前くらい)


セイントとフランシスの内科診療ガイド 第2版

→この本のおかげで、たくさんの語呂が頭に残っています


テイラー10分間鑑別診断マニュアル 第3版
→簡潔に重要なことを記載してくれていて、読むたびに凄いなぁと思っていました。大好きな本。

・診察エッセンシャルズ
→critical な疾患は見逃しちゃまずいですからね。
 だんだん「当たり前」になってきたらこの本は卒業です

主要症候からみた鑑別診断学第2版
→困ったらこれに頼りましたが、内容がかたい・・・

・コリンズのVINDICATE鑑別診断法
→この本の使い方は注意が必要です。いきなりこの本を読んではいけません
この本に書いてあるのは、症候学の最終段階です
自分でこの本の内容を作れるくらいしっかり勉強します
いきなり到達してしまってはいけません
大事なのは、病態を絵に描くことと、
VIDICATEで一度自分で全ての鑑別疾患を列挙してみることです
列挙した鑑別疾患を3Cで分類してみる
そして、自分が作ったものとコリンズ先生の本を比べて修正する
答え合わせ的な感じで、この本を使います


学生時代に症候学を学ぶ上で大事なのは小手先のhow toを身につけることではなく、
病態を深く理解することです

そしてそれをアウトプットできるようにする


ここまでしたら、その症候学の知識・型を手に入れたと言えるので、
そこから修行にでます

いきなり、NEJMに挑んでも敵わないので、
まずは日本語の本で練習します

・カトラー臨床診断学
→古い本ですが、とても勉強になりました
 新しいのでないかなあ・・・

・診断力強化トレーニング
→薄いので、症例数をこなしたい時に使います

考える技術 臨床的思考を分析する 第3版
→自分の中のバイブルです
 ボロボロになるまで読みました
 何か一つだけ、と言われたら迷わずこの本をお勧めします


上記のような本の「発熱」の症例を何度か経験して、
「発熱」をみたときの考え方を何度も反復させます

自分の中で「発熱」に対する診療の型ができたと思ったら、
ようやくNEJMの症例を読み始める・・・


読みながら途中で鑑別疾患をあげていく
自分なら次に何を聞くか、次に何の検査をオーダーするか・・・
そういったことを想像しながら、進めていきます


ということで、まとめると
①「症候」についての病態を深く理解する
 →そのために何冊も「症候」の考え方を読んでみる
  そして自分なりの「症候」に対する「型」を身につける

②「型」が身についたら、症例で試してみる
 →考える技術がとりあえずお勧め
  一つの症候につき、3症例ほどのっているのでいい練習になる

③「型」を使いこなせるようになったら、NEJMに挑む
 →初学者の場合、CPSがお勧め






学生の皆さんの気持ちとしては、そんなことしている時間ないわ!
って突っ込まれそうですね・・・

でも僕は逆にそんなことばかりしていました


どんなにたくさん知識があっても、使えない知識はただのトリビアです

知識を身につけることがゴールではなく、
知識を使って問題を解決することがゴールです

それを教えてくれたのが、NEJMの勉強会でした


正直、全然わからないことも多かったですし、
勉強したのに全く使えないこともありました


NEJMの壁は、過去の自分にとっては高すぎる壁だったからこそ、
その壁を乗り越えるためにどうすればよいか?
という知恵や姿勢を学んだ気がします


NEJMの勉強会を始めるなら、4、5年生くらいがお勧めです
自分も部活を引退してやることがなくなった秋くらいからはじめました



ちょうど今くらいかなぁ・・・






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