献本御礼
國松淳和先生が書かれた「不明熱のエッセンス」を読ませていただきました
読んだ感想としては、國松先生と直接対話したいと思いました 笑
國松先生のみている景色を見てみたいですね
この本はこれまでの不明熱診療の本とは全く異なる本です
不明熱を最初から全否定されている本は見たことありませんでした 笑
短期的な効果のあるビジネス本がたくさんあるように、
不明熱の本はすぐに実践に活かせる本が多いです
2022年2月のNJEMにもFUOのレビューが出ましたね
そこにあるフローチャートなど、まさにです
一方「7つの習慣」のように長期的な成功をおさめるための本もあります
それがこの本の特徴かなと
この先、不明熱と出会う臨床家は一読する価値はあると思います
part1で國松先生が感じている不明熱診療の哲学的思考が書いてありますが、
ここで自分の中の不明熱の概念が覆されます
進撃の巨人で言えば、ウオールマリアが壊れたような感覚です
不明熱診療を深めていくと全然異なる景色がみえるのですね
國松先生の見ている景色は、自分には見えていないと思いました
キングダムで言えば、
王騎将軍の見ている景色と信が見ている景色は違うといったような感じです
(漫画の例えが多くてすいません・・・)
ここから先は、実際の本文からエッセンスを抽出してみます
不明熱は一つの病態というよりは、状況として捉えるというのは、
その通りだなあと思いました
不明熱診療はクラブツリーの棍棒の方が使い勝手がよいのも勉強になりました
オッカムの剃刀かヒッカムの格言の二元論ではないのですね
後でじわじわ効いてくるpart1がありつつ、
この本はすぐに実践に生かすことができるpart2があります
part2は10年分の不明熱の症例報告を國松先生が簡単にレビューしてくれており、
実臨床で活かせるポイントも書いてあります
これをパーっと読むだけでも、不明熱診療に行き詰まった時にヒントになるでしょう
実際に自分が体験した不明熱症例と似たような症例もたくさんあり、
懐かしさを感じると共に、みんな苦労していることがよく分かりました
ですが、症例報告になっている時点で原因不明ではないんですよね
本当の不明は現場にある
これが本書で最も伝えたかったことです
そのために10年分の症例報告を読んだという構成です
実際の臨床現場で診断がつかなかった不明熱は何度か経験していますが、
あのモヤモヤ感は嫌ですね
原因を突き止められなかった不甲斐なさ
他の人が見たら一発で診断してしまうのではないかという不安
今後、見落とした病気がフレアしてしまうのではないかという不安
何とも嫌な気持ちになります
本当の原因不明熱は人とも共有しにくいですし、症例検討会にもなりにくいです
症例検討会では不明熱と言いつつも、
原因が分かって、どやー!っという症例が出てきます
症例検討会や症例報告では、
時間の流れや患者家族との空気感、患者さんのキャラクターなどは共有できません
本文より
「悪魔は細部に宿る」
結局不明熱もこれです。detailが大事なのです。本当に。
〜略〜
つまり、不明熱の症例報告では本当の不明熱は語られていない。
その通りだなと思いました
これまで経験した原因不明熱で感じたモヤモヤが少しだけ、スッキリした気がしました
まとめ
・不明熱診療に即効性があり、
長期的にも効果がある、そんな印象の本でした
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