溶血性貧血って難しいですよね
苦手な人が多いのではないでしょうか
なぜ難しいか考えてみました
原因は三つあるかと思います
一つ目は、溶血性貧血の分類法かと思われます
MCVやRPI、血管内外、免疫介在の有無、遺伝の有無など、
たくさんチェックするところがあります
「溶血性貧血」をどこから見るかによって、
見え方が異なるイメージです
昔、打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?という映画がありましたが、
あんな感じです
貧血の場合、フローチャートがありますが、
フローチャートにはのらないケースもあり、簡単にはいきません
頭の中で論理的に考えていく必要があります
二つ目の原因は、原因が複数あることも多いことです
溶血が進んで葉酸欠乏や鉄欠乏合併、
PNHとMDSや再生不良性貧血合併、
MDSと破砕赤血球出現、
感染合併したTMAなど
原因が複数あると
MCVやRPIの値が教科書的でなくなったり、
典型的ではないデータになることもあります
あわないデータであっても、
網羅的にチェックする必要があります
3つ目は、シンプルです
溶血性貧血は毎週出会うような疾患ではなく、
稀な病態のため、慣れるのが難しいということです
溶血性貧血の診療は時間軸も重要です
TTPを疑った場合、緊急で血漿交換を行うかを検討する必要があります
疾患の重症度や治療の緊急度によって、
早急に除外すべき疾患もあります
精査のためには外注が必要であり、すぐに出ないものもあります
初診外来の流れの場合、
最初の血算がでてMCVがわかり、RDWを確認しRPIをチェックします
情報が追加されるごとに何が起きているかが、
解像度が高くなってきます
イメージは、マトリョーシカです
時間が経てば経つほど、原因が明らかになってきます
ただ、その時間をかけても良いかを考える必要があります
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