前立腺癌で化学療法中の80歳 男性がFN・敗血症性ショックでICU入室となりました
大量輸液や挿管、昇圧剤、ステロイド、CRRT、輸血、アルブミン製剤を投与しながら
何とか循環をサポートしていましたが、翌日にはARDSを併発されました
ARDSとして肺保護換気や腹臥位療法を行なっていましたが、酸素化の改善が悪く
カテコラミンもきれない状況が続きました
広域の抗生剤とMCFGを投与していましたが、
カバーできていない菌の可能性を考え、気管支鏡検査を行ったところ・・・・
気管支が何だかおかしい・・・
何だこの気管支は??
調べてみると、どうやらこれのようでした
同じような画像がJSEPTICのクイズにもありました
ICUカンファレンスでもアスペルギルスは鑑別にすぐに上がりましたが、
結核が鑑別に上がらなかったので、集中治療医にとって結核は盲点だなと思いました
本症例も抗酸菌の検査を行いましたが、陰性でした
結核を見逃した時のインパクトが大きいので、
忘れないようにしましょう
いつも心に薬と結核ですね
これはICUの中でも言える格言のようです
何といっても多いのはアスペルギルスです
今回はアスペルギルスではなく、カンジダとクリプトが検出されました
なかなかCTではこの気管支の画像は想像できないですよね・・・
気管支鏡検査をすると、衝撃的です
まとめ
・免疫不全者の呼吸器症状の原因の一つに偽膜性気管支炎という病態がある
→普通の呼吸器症状だが、急に酸素化が悪化することがある
・偽膜性気管支炎は偽膜が剥がれたり、全周性に偽膜が形成され、
気管支が閉塞し閉塞性肺炎や無気肺を起こすことがある
→偽膜を取り除かないと酸素化が改善しない可能性がある
・偽膜性気管支炎は非常に稀な病態であり、
他の原因精査目的で行う気管支鏡検査で偶然見つかることが多い
→アスペルギルスだけでなく、結核の検査を忘れないように!
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