2017年10月15日日曜日

蜂窩織炎と診断された人を引き継いだら

蜂窩織炎で入院です

と言われた人を引き継ぐ時は気をつけなければなりません

全ての病気でそうですが、レッテルが貼られると、

それにしか見えないか、もしくはそう思い込んでしまう傾向が人間にはあります

その思考傾向は払拭は難しいので、自覚的でいる事が大事です

以前の診断に流されてはいけません

盲信して失敗した症例は、星の数ほどあります


蜂窩織炎なら大丈夫でしょう 笑

皮膚が赤くて腫れて痛いんだから診断間違いなんて、起こるわけがないと

思っていると痛い目に遭います

実際には蜂窩織炎で引き継いだら、DVTだった

とか

痛風だったとか

壊死性筋膜炎だったとか


意外に診断根拠はあやふやで難しいのです

だからこそ、蜂窩織炎も除外診断であり、

蜂窩織炎を診断しにいく必要はありません


むしろ、DVTや関節炎、壊死性筋膜炎、皮下膿瘍の除外の方がはるかに重要です


ですが身体所見だけでは難しいし、血液検査なんて全く当てにならない

ではどうすればよいか?


USが一番手っ取り早いです


もちろん、病歴も重要ですし、身体所見も重要ですが、

US当てて、血栓あればDVTで確定ですし、

関節に液体貯留あれば、関節炎です

壊死性筋膜炎っぽければ、筋膜の上に液体貯留する事があり、

皮下膿瘍は膿瘍が簡単に見つけられます

他にもベーカー嚢胞を見つける事ができたり、とても使える検査です

なので、何でもかんでも、とりあえずエコーの時代が来てしまった気がします


所見が分からないから当てられないと言っていると、

永遠に当てられないので、分からなくてもとりあえずあててみましょう

出来れば上級医とともに



蜂窩織炎を引き継いだら、まずはバイタルの確認です

壊死性筋膜炎、TSS、敗血症性ショックなど、バイタルが崩れやすい原因は多々あります




TSSは見落としが多く、他科から紹介になる事も多いです


例えば婦人科から、乳腺炎で抗生剤を使ったら、身体が赤くなり、ショックになりました

的な感じで紹介になる事もあります


確かにアナフィラキシーショックは鑑別ですが、

TSSも鑑別になります


ドレナージが大事なので、TSSを疑ったら、必ずドレナージを急いでやりましょう


ちっちゃな皮下膿瘍でもショックになります


副鼻腔炎からTSSをきたした人もいました


そんな時は緊急で耳鼻科callです



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