訴えが曖昧な認知症の高齢者の場合、鑑別にあがらない事があります
PMRも同じで、
施設入っている元気な認知症のおじいちゃんが、
今日は静かだねえ
全然、ベットから起き上がらないねえー
なんて言っていると、
あれ、今日も寝たままだねえ
なんて日が続いて、実は微熱があり、食欲も落ちてしまい、
精査目的に入院となる事があります
PMRもGCAも高齢者の病気である以上、
認知症を合併している人に発症してしまう可能性はあります
字面だけおうような国家試験では、
鑑別に上がるのは当たり前ですが、
目の前の認知症もあって、心筋梗塞や心不全、ビタミンb12欠乏、糖尿病、CKDもあり、
山ほど薬飲んでるおじいちゃんが、頭が重いんだよねー
といってやってきたら、
なかなか側頭動脈炎を鑑別にあげるのは難しいと思います
ですが、側頭動脈炎は放っておくと失明というアウトカムを持っているので、
膠原病の世界では、emergencyと言われています
なので、やっぱり閾値は低く、鑑別に挙げる必要がある疾患だと思います
病歴がうまくとれないというのは、内科医にはかなりの試練ですが、
だからこそ臨床はchallengingで面白いのだと思います
重度の認知症や重い脳梗塞の後遺症で
言葉を言えない患者さんは、
身体で病気を表現してくれているので、
私達はそれをしっかり受け取らないといけません
身体が上手く動かせず、動作がゆっくりになっていたり、
ベットからの起き上がりがやたらとゆっくりだったり、
食事が進まないのは、顎が疲れているせいかもしれません
これらは、身体所見というよりもインプレッションであり、
感度・特異度とかで現されるものではありません
小児の領域では、見た目が大事!と口すっぱくいわれますが、
高齢者の病気を診断する時も、見た目は非常に重要です
カルテやカンファレンスではよくわからなくても、
ベットサイドに行けば、すぐにピンと来ることもあります
なので、病歴がとれなくても諦めてはいけません
ファーストインプレッションと身体所見が勝負です
大血管炎なので、側頭動脈以外の血管も侵されることが多いです
なので頸動脈の血管雑音や頸動脈痛をしっかりみます
側頭動脈の硬結や圧痛、怒張、発赤ももちろんみますが、
動脈硬化の成れの果てとどう鑑別していいか
よくわかりません
とりあえず、痛いかどうかはチェックします
PMR症状があるかも重要です
インピンジメントサインをチェックして、
怪しければエコーを当てましょう
0 件のコメント:
コメントを投稿