皮疹を見て一発診断出来ると、カッコイイので、
皮膚科医には常に憧れています
画像と皮膚から診断する思考過程は、紛れもなくsnap diagnosisですが、
そこにシステム2(分析)を加えるとさらに診断に有用です
というか、知らないと答えられないシステム1(直感)の思考過程では、
初学者は見落としてばかりになってしまいます
なので感染症と皮疹について、システム2でまとめてみました
入院したての頃の皮疹でやばいのは
点状出血とリベドでしょう
点状出血はIEや髄膜炎菌や肺炎球菌性の髄膜炎などなど
死にそうな病気でお目にかかります
リベドはその目で見ると、色んな状況で出まくっています
リウマチの定期外来で待っていた患者さんが、
「ちょっと待合にいる時に寒かったんですよね」
と言っていました
症状は寒気のみでした
血液検査でも炎症反応は上昇ありません
クーラーに当たったせいかな?と
帰そうとした時に、
自分の目の前で、みるみるうちに
患者さんの両側の前腕の色が変わっていきました
リベドでした
それを見た瞬間、
はい。血液培養とって、入院ですね
という流れになりました
後日、血液培養で大腸菌が検出されました
リベド怖っ!
と思いつつ、
リベドに救われた瞬間でした
入院後、皮疹が出る症例もあります
その時は大抵薬の事が多いのですが、
稀に感染症に惹起された血管炎のことがあります
その場合、診断に悩む事も多いです
そこでのポイントは地図と年表を描くことだと思います
こじれた症例、多数の既往や薬が入っている症例ほど威力を発揮します
カルテが電子化された弊害として、
手書きで血球の推移や投薬をグラフとして書くことが大幅に減ったため、
患者さんの歴史や現在地の全体像が掴みににくくなってきました
神経変性疾患を疑っている症例や不明熱症例、
血球が変化してきた症例、皮疹が出てきた症例、膠原病を疑う症例
などなど、使い所は満載です
是非困った症例があれば、
まずは地図と年表を描いて頭の中を一度整理する事をお勧めします
時間はかかるし、面倒くさくて、
こんなんで診断出来るのかと思うかもしれませんが、
自分の中ではこれが一番の診断の近道だと思っています
急がば回れですね
自分で診断出来なくて助けて欲しい
と、上級医に泣きつく前に、
地図と年表を作って、とことんにらめっこしてから
白旗降りましょう
上級医は研修医がどこまで本気で悩んだかが知りたいのです
もちろん、時と場合を選びましょうね
死にそうな患者を目の前に地図と年表作っている暇はありませんから
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