2017年8月27日日曜日

臀部痛

胸痛や背部痛、腹痛、関節痛、頭痛についてはどの症候群の本にも書いてあります

しかし、臀部痛に関してはあまり書いてないので、作ってみました



臀部痛の場合も他の痛みの考え方と同様に、解剖を考えます

大事なのは、坐骨神経と仙腸関節です



坐骨神経は人間の神経の中で最も太く、

下肢の筋肉全てに関わっています

L4-S3の神経がまとまってできており、

その走行に何か問題があると、坐骨神経痛として痛みを生じます


坐骨神経が梨状筋やその周囲の双子筋に挟まれると、

梨状筋症候群と呼ばれます


梨状筋と坐骨神経は解剖に個人差が大きく、

挟まれやすい人がいるようです

梨状筋は普段、使わない筋肉なので、

急な運動や過度の肉体労働で起こることがあります



しかし梨状筋症候群含め、坐骨神経痛はあくまで症候群であり、

病名ではありません


原因が椎間板ヘルニアのこともあれば、

周囲の筋肉内血腫に圧迫されて起こることもあります

仙腸関節炎や閉鎖孔ヘルニア、内腸骨動脈瘤が原因のこともあります


そのため、坐骨神経痛と診断しても、あまり意味はありません

その背景まで、思いを馳せなければなりません


ポイントは仙腸関節に問題があるかどうかです



仙腸関節に問題があるかどうかを調べる身体所見には

仙腸関節の圧痛

パトリックテスト

ゲンスレンテスト

があります




坐骨神経痛の身体所見は色々ありますが、

SLRテストはあまりいい身体所見ではありません

股関節疾患でも陽性になり、

高齢者で身体が硬くなっても、陽性になります


そのため、SLRテストの補完のため、他のテストも知っておくと便利です




まとめると、

臀部痛の人をみたら、坐骨神経痛らしさをみるために、

色々な身体所見をとります


そして坐骨神経痛でありそうならば、

その背景にある疾患を考えます

そこでのポイントは仙腸関節炎があるかどうかです


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