食べられなくなるつながりで、吐気、食欲低下の考え方です
吐気ほど鑑別疾患を狭める上で、あてにならない症状はありません
そういう症状はlow yield と言われます
診断のコツはhigh yieldな所見を拾う事です
ですが、残念ながら、吐き気しかないという人はいます
他の所見が全くない時、吐き気は非常に難しい症候群です
鑑別が膨大だからです
特に難しいのは、血液検査やCT、GFで原因がわからなかった時です
頭も大丈夫そうで、消化管も大丈夫
電解質異常もない
感染症もなさそう…
この場合は、途方に暮れてしまいます
なんで食べないんだろう‥
と悶々と悩む事になります
悩んだら、第一にする事は、食事風景を自分で確認する事です
本当に食べないのであれば、介助して食べさせます
食事介助は診察の一部と考えてください
自分で食事介助することで、カルテ上にはなかった情報が得られます
例えば、
最初は良かったがだんだん、スピードが遅くなり、
食べられなくなってきた
→もしかして、顎跛行?
食べているものに偏りがある
→味覚障害があるのかもしれない
食べていると、義歯が落ちてきた
→義歯の調整が必要かもしれない
嚥下が辛そう
→ワレンベルグ?
などなど
入院途中で食べなくなってしまった高齢者で、
原因がつかめない時は、まず一緒に食事を取ってみる事から開始です
その上で、やっぱり原因が分からない時は、
3つを意識して進んでいきます
まずは口うるさく、薬のチェックからです
薬は大丈夫となれば、
ホルモンや代謝の問題を考えます
甲状腺や副腎疾患は、消化器症状をよく呈します
それも大丈夫となれば、うつを考えます
臨床のパールや自分なりの考えをノートにまとめました。自分のポケットの中だけでなく、皆様にもみていただき、ご意見ご感想を頂ければ嬉しいです。実臨床への適応は自己責任でお願いします。
2018年6月24日日曜日
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