仙腸関節が痛いなあ、と思ったことはありますか?
もしくは仙腸関節痛を診断したことはありますか?
今まで、腰痛や大腿部痛の患者さんをみたときに、
ヘルニアや脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、梨状筋症候群といった病気を口にしたことはあっても、
「仙腸関節痛だね」と口にしたことはありませんでした
仙腸関節は忘れられた関節です
ですが人体の関節で1番大事と言っても過言ではありません
では仙腸関節は何をしているのでしょうか?
仙腸関節は体幹と下肢のつなぎ目であり、一言で言うと力の交差点です
仙腸関節の役割は2つあります
①体重の支持
②衝撃の緩和
この二つの役割を持つために、ほとんど動くことのない関節になっています
関節といえば普通は動きますよね
動くためには、関節を動かす筋肉が必要です
では、問題です
仙腸関節を動かす筋肉はなんでしょうか?
正解は、仙腸関節を動かす筋肉はありません
ですが、仙骨はいろいろな筋肉の付着部として機能しています
そして仙腸関節はたくさんの靭帯で囲まれています
その理由は、上下からの剪断力から守るためです
仙腸関節はまるでミイラ男状態で、ほとんど身動きがとれません
仙腸関節は力の交差点ですが、内臓と筋肉、骨盤内と外の交差点でもあります
仙骨の前面には無数の神経や血管が張り巡らされています
仙腸関節の痛みでこれらの自律神経や内臓臓器に影響が出るのは、解剖を考えると想像に難くないと思います
そして仙骨からでた神経が集合し、人体で最大の神経、坐骨神経を形成します
仙腸関節の周囲にはたくさんの構造物があるので、
仙腸関節痛は、坐骨神経痛や梨状筋症候群と間違えられることが多いです
仙腸関節の構造は複雑です
立体的であり、二次元で表現するのが難しい関節です
横から見ると、L字型で
上から見ると、ブーメラン型です
axialで見ると、仙腸関節は本当の関節と靭帯の集合体で形成されています
仙腸関節痛は、後方の靭帯組織から発生することが多いです
そこにブロックを行うことで、痛みがとれれば仙腸関節痛の診断的治療となります
まとめ
・仙腸関節は人体で一番大事と言っても過言ではない関節
→だが、忘れられている
・仙腸関節はとてつもない剪断力が加わるため、それに耐える構造になっている
→靭帯でギチギチにテーピングされている感じ
・仙腸関節は関節+靭帯の集合で形成されている
→後方の靭帯部分に痛みを感じる神経が集中している
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