内分泌疾患は疑うのも難しければ、診断するのも難しいです
①想起するのが難しい
症状が非特異的(倦怠感、痛み、食思不振、起立性低血圧、ボーッとする)なことが多く、
逆に他の臓器を疑う症状(動悸、浮腫、関節痛など)もあったりします
また精神疾患を思わせる不定愁訴や本当に精神疾患を合併していることもあります
想起しないことには、診断できませんので、
内分泌疾患を疑うアンテナは常に立てておかねばなりません
一方で、なんでもかんでも疑いすぎて検査しすぎるのも問題ですので、
診断するメリットと
検査にかかる時間・費用・医療資源・患者さんへの負担・侵襲を見極める必要があります
②内分泌疾患にはスペクトラムがある
組織にのみ異常がある非活動性(silent disease)
症状としてはみられない潜在性(subclinical disease)
病態が完成した明らかな状態(overt disease)
命の危険がある状態(crisis)
スペクトラムがある疾患で、どこで発見されるかは人それぞれです
病態が完成していれば、疑うこともできますが、
一度精査を行って大丈夫だったからといって、
今後も大丈夫というわけではありません
時間が経過すれば、問題(データや症状)が顕在化することがありますので、
時間と根気が必要です
③確定診断が難しい
内分泌疾患は機能的な問題ですので負荷をかけないと、本当に異常があるかどうかはわかりません
スクリーニングも簡単にできるわけではありません
安静臥位や薬の影響などスクリーニングの際にも注意することがあります
さらに診断を確定するには、負荷試験が必要ですが、
そのためには、労力や時間、知識が必要になります
もちろん、スクリーニングを行って、怪しければ専門医に紹介するのがベストですが、
近隣にはないことが多く、患者さんに負担がかかってしまうことがほとんどです
このように診断するハードルが高いのが、内分泌疾患の特徴です
まとめると内分泌疾患を診断するために必要なのは、たった一つです
内分泌疾患を診断するという気概です
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